2011年12月26日

13年間に4つのトライをやり続けたS邸 (生活体験12)


S邸は この13年間に、R-2000住宅から準パッシブハウスへ、そして顕熱交から熱回収90%の全熱交+光触媒機能付きへ、更には動力空調から排熱ドライ空調へ、そしておまけに熱交換からデシカ換気+動力空調へ、と4回にも亘って果敢なトライを続けていただきました。
これだけのトライを自らの犠牲と責任でやって頂けた施主は、稀有。
日本が誇ってよい施主です。
しかし、中には回り道をしたトライもあります。
TOTOの便器開発に伴うこの数十年来の一貫したイノベーション・ポリシーに比べると、住宅用空調換気・除加湿のイノベーションついては メーカー側の一貫したポリシー不足が感じられます。
たしかにインバーターとかヒートポンプの技術開発では、日本は世界のトップを走っています。
しかし、除加湿と換気に関しては、必要以上のまわり道をしているという印象を拭いきれません。
それは、住宅というものを正しく理解していないところから生じています。
実験棟はあっても、開発した社員がそのシステムを装備した住宅に住み、実体験で問題点の所在を検証していないから。
そして、ビル用デシカを住宅用に変身させるには、さらに一段のイノベーションが必要だと考えます。

いままで、30人近いお客をS邸に案内してきました。
ハイム、一条、北洲、新昭和、森みわさんなどのビルダー、設計士をはじめとして、熱心な消費者の方々。もちろん東電関係をはじめとして、直にS邸を訪れた人も多くいます。
実体験を通して、ビルダー・設計士、消費者の意識が変わってきます。
しかし、残念ながらダイキンの本社、工場の開発担当者がS邸を訪問し、直に問題点を聞き、改善策を用意するという肝心の行動をしてこなかった。
一番大切な現場情報を軽視してきた。
また、ハーティホームでは6年間で約300棟の空調換気・除加湿システムを販売してきました。
中でもっとも多かった顧客層は地域柄 東芝、菱電、東電、鹿島建設をはじめとしたゼネコン、IT関係、医療関係の技術屋さんが圧倒的。しかし、その中にダイキンの社員は1人も存在しなかった。
つまり、実際の現場の声が本社や工場の関係者に、実感をもって届いていない。
これが、一貫したイノベーション・ポリシーの欠落に繋がっていると考えます。
幸い、家庭用デシカでは、井上会長が率先して自宅に取り付けたと聞いています。
いろんな不具合が分かり、来年秋までにはかなりの改善が進むものと期待しています。

さて、ダイキンの全ての空調換気・除加湿システムのモルモット役を果たして頂いたSさんご夫妻に、改めて準パッシブハウス+デシカント除加湿換気+動力空調システムの感想を伺いました。
たまたま奥さんがロスへ留学している姉弟のご子息を訪ね、弟の15帖程度のアパートと超豪邸での生活を体験して帰られたばかり。
アパートの空調音は大きく、皮膚よりも目が痛くなる経験で、改めて日本の空調換気システムの良さを実感したとのこと。
それと、10数部屋もあるという豪邸での掃除の大変さ。
S邸は延べ85坪もあるが、気密性が0.2cm2/m2と良く、しかもソフトなセントラルシステムなので家がほとんど汚れない。机の上や棚にチリなどがほとんど溜まらない。
したがって掃除は、一週間に1度だけで済んでいる。
ところが超豪邸では毎日が掃除。その大変さを改めて痛感したとのこと。

そして御主人は、「出張でどんなに遅くなっても、飛行機便や新幹線が走っている時間だと、ホテルには泊まらず必ず自宅へ帰ってくる」 とのこと。
つまり、どんな豪華なホテルも、空気質や音、除加湿システムが明かに自宅よりは格段に劣っており、身体が休まらない。どんなに遅くなっても、自宅へ帰った方が休まる。
これは実家へ行った時も同じで、ご夫妻とも「実家に泊まることだけは勘弁していただき、いつも日帰りしている」とのこと。
本当の快適さを知ると、豪華ホテルも身体が受け付けなくなるという話は、ほとんどの人から聞いた。
「わが家の空気が最高」と消費者から言われたことがない人は、住宅人としては失格者と言えよう。

ビル用デシカに関する印象は、「夏期の除湿は文句なかった。28℃で40%を切っていた。 しかし、冬期は家が大きく内部発湿が少ないと言うこともあって少し加湿不足気味。 昨年はそうでもなかったが、今年は変わった係の人が設定湿度を間違えたらしく、一時は30%を切った。 そしたら無垢のカリン材が反って隙間が発生。 冬期の湿度コントロールが如何に大切かを再認識させられました。 幸い、わが家の場合は透湿膜加湿器が1年余使わずに残していたので、それを使えば冬期は45%に加湿出来るので、心配はしていません」 とご主人。
「電気代については、現在の11.2kWの動力ではなく、必要風量が確保出来る最低の機種に変えれば、かなり圧縮出来ると思う。たしかにアメリカやカナダに比べて日本の電気料金は高く、今度の原発事故で東電の値上げ圧力がさらに強まるでしょうから、少しでも省電力化する必要があります。しかし、一方的に我慢を強要するのは正しくありません。 わが家のように大きな家で、500m3のデシカで除加湿換気運転をして、11.2kWの空調機で全館24時間冷暖房運転をしての消費電力量が1万kW程度。 これを最適空調機に変えることで6〜7000kWに抑えられれば、年間25kW/m2以下ですから決して高いとは思わない。 まず、全館空調換気・除加湿でこの数値を達成させることが先決。 それから先は太陽光で賄うか否かという選択肢の世界。 太陽光発電の前にやるべきことを、住宅メーカーと設備機器メーカーさんがきちんとやっていただくことが肝心」。
これが、Sさんご夫妻の大まかな結論。

そして、Sさんご夫妻と13年間付き合わせて頂いて得られた最大の教訓は、「Q値もさることながら、東京、名古屋、大阪などの大都市では、一番快適性に影響を与えるのは除加湿システムだということ。 この除加湿を完全に機能させるためには、最低0.9cm2/m2の気密性能、C値が必要だということです。 夏の高温多湿と冬期の過乾燥問題を抱える日本では、ドイツなどヨーロッパ諸国のようにQ値だけでつゝ走るのは、あまり正しいことではないようです。

新しい年は、そういった視点で再考して行きたいと考えます。

以上

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2011年12月22日

関心事はQ値よりも除加湿に (生活体験11)


前回、建設大臣認定の「R-2000住宅認定番号66番」の住人・Sさんご夫妻の 築1年後の率直な感想をお伝えしました。
新居の性能と生活には十二分満足していたが、いずれどちらかの両親を引き取らねばならない。
両親と同居するには、八千代市は不便。
そこで、築9年目に転居を考えました。
幸い都内の杉並に、第2種風致地区で1種住専1種高度の良い土地が見つかった。
「この土地で希望する間取りと、R-2000住宅以上の快適な住宅建築が可能だろうか」 との下相談を受けました。
まず区役所を訪ね、風致と緑化計画などを調べ、2つの叩き台用プランを作成して、「間取り的には問題はありません」 と報告。
その報告に基づいてSさんは新規に土地を購入し、八千代のR-2000住宅を手放しました。
近隣の人の中にS邸を購入したいと希望した方があったが、不動産価格が冷え込んでいた時だったので容易に転売出来る状態でなかった。
そんな時だったが、R-2000住宅の性能を高く評価する希望者が現れ、不動産屋さんが驚くほどの価格で新しい入居者に引き渡されました。

次に問題になったのは、R-2000住宅以上の快適さ。
Sさんご夫妻は、単にR-2000住宅基準のQ値1.4Wという断熱性能と、C値0.9cm2/m2という気密性能だけに満足していたわけではありません。
セントラル空調換気+除加湿機能の方に より高い満足度がありました。

気密断熱性能では、当時スウェーデンのハンスさんで話題になっていたQ値0.8Wの断熱性能と、C値0.2cm2の気密性能のパッシブハウスを提案しました。 
いずれもR-2000住宅の性能基準を大幅に上回っており、机上計算では限りなく「無暖房」 に近い住宅が得られるはず・・・。
ところが、準防火地域のため、隣地に接する北面および西面、さらに2階の東面と南面の一部に網入りの防火サッシを使わねばならず、当初予定していたU値1.28Wのサッシのかなりの部分を1.98Wに変更せざるを得なかった。
このため、Q値は0.9Wとなり、準パッシブハウスとなったことはすでに説明済み。

それよりも問題だったのはセントラル空調換気+除加湿システム。
当初のダイキンの除湿システムは、除湿専用の室外機を持ったもので、加湿は透湿膜に依存していました。
このシステムが12年ぐらい前から、「エアカルテット PLUS」 に変更。
加湿は今まで通り透湿膜に依っていたが、除湿はデシカント除湿ロータに変わった。
このデシカント除湿の性能が、「今までのものよりトロイ」 というのが消費者の反応。
このため、何を選んでよいか迷っている時、一条の仕様書発注で90%熱回収の全熱交がダイキンで生産されているのを知り、セントラル空調換気システムに応用出来ないかと考えました。
エアテクノに相談したら、潜熱も交換するのでエンタルピ効果が高いとのこと。
これを、除加湿効果が高いと受け止めてしまいました。
そして、(生活体験1) で説明したように、臭いの移転を阻止するため光触媒機能を付加し、Sさんが自主的に特殊浄水施設を設置したので透湿膜も取り付けました。
このため冬期の相対湿度はいくらでも高くすることが可能に・・・。 だが、網入りの1.98Wサッシに結露が生じるので、相対湿度は45%がマキシマム。
ところがこの全熱交は夏期の除湿能力はゼロ。
空調機を再熱ドライに切替えたことも 既に説明した通り。

つまり、1年目、2年目のSさんご夫妻の印象は、「準パッシブハウスよりもR-2000住宅の方が、全体として良かったかもしれない」 というもの。
たしかに、冬期は透湿膜を併用していたので加湿には不満がなかった。
夏期は、空調機を再熱ドライに変えても、最初の除湿システムよりは劣っていると感じたよう・・・。

たしかに、R-2000住宅から準パッシブハウスに気密断熱性能は40%近く改善された。
しかし、寒冷地ならともかく温暖地の東京では、それが大きなメリットとして実感出来るほどの差はなかった。
暖冷房費が大幅に下がれば、それなりの感動があったでしょう。
しかし、住宅の規模が2倍近くも大きくなったので、冷暖房費が増えて当然。
画期的に改善されたという印象が薄い。
関心事のほとんどが除加湿問題にとられて、断熱気密性能が良くなった有難味が実感できなかったというのが実態。


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2011年12月17日

まず、12年前のR-2000住宅の体験談 (生活体験10)


それでは最後に、Sさんご夫妻のQ値0.9Wの準パッシブハウス+業務用デシカでの1年余の生活体験を話していただきましょう。 ただ その前に・・・。
今から13年前に興銀ニューヨーク支店から帰国され、銀行の寮生活をされていたご夫妻が、R-2000住宅モデルハウスの室内空気環境に接して一目惚れ。千葉・八千代市に新居を建築しました。
入居1年後の感想談を「高気密住宅を拓く先覚者・先住人」(鵜野日出男編 住宅産業新聞社刊 税込1800円)に掲載していたので、その感想談の要点を 参考までに紹介します。

まず夏ですが、冷房を付けていることを忘れてしまうほどのソフトさがいいですね。
今までは熱帯夜でクーラーを付けっ放しで寝ると、あくる日は身体がどことなくけだるい。
クーラーを付けないと寝不足で翌日は一日中頭が冴えない。
これに対してこの家の冷房は、まず風を感じない。
これはニューヨークにもなかった柔らかさ。
寒がり屋の妻は、痛い風が感じないことを ことのほか喜んでいます。
私はぐっすり眠れるので早起きになった。
夏は5時に起きて犬をつれて散歩に行きます。一時間くらい散歩して薄く汗をかいて玄関のドアを開けると、何とも言えない爽やかな涼気が出迎えてくれる。
冷気やじとっとした空気ではなく 乾いた高原のような涼気がたまらなく嬉しい。
本当に「帰り甲斐のある家」という気がします。

冬は、この家に住んでみて、寒さは五感で感じるものだということを痛感しました。
今までは「ヒュー」という北風の音が聞こえた。その音を聞くたびに寒さを感じていた。
カラスの鳴き声も、外の寒さを連想させた。条件反射的に筋肉が収縮して疲れを感じていた。
そうした外部の余分な音がこの家には入ってこない。
したがって精神的にも暖かく、疲れない。
また、今までの家では、陽が当たると対流で空気が舞うのが見えた。
小さなホコリが舞っていたのだが、そのホコリがなく、したがって舞いもない。
対流を感じさせないことが暖かさの1つの条件だと知りました。

冬期の設定温度は21℃で、相対湿度は35〜40%というところ。
若干相対湿度が低いという気がしますが、今までのカラカラでノドがいがらっぽくなるのに比べるとすこぶる快適。
前の銀行のRC造の寮では、毎朝ガラスにびっしり付いた結露を大きなタオルで拭くのが日課。
黒カビは付くし、床は結露でビショビショ。
カーテンは真っ黒に汚れるしで、大変な思いをしていました。
ニューヨークに住んでいたのはデュプレックスという2戸1棟の貸家。
1970年代に建てられたものですが全てペアガラスが入っていた。
国際水準からいって日本の住宅がいかにみすぼらしいかが、サッシに明快に現れています。

2人の子どもが学校へ通っています。
引越してきて、直ぐ小さな訪問者が増えたので、2人とも寂しい思いをすることがなかった。
この家の室内環境が良いので、しょっちゅうピンポンという音がして誰かが遊びにきている。娘の部屋で誕生会をやりたいという申し込みもある。
そして、遊びにきた子どもたちの言うことが面白い。
「この家は、くつろげる !」

妻から、「今まではなんだかだと理由をつけて週末は出かけていたのに、最近は出かけなくなったわね」と言われたが、わが家が一番空気環境が良くて、身も心も休まる。
今までのようにリゾートホテルへ行って泊まりたいという気持ちが全然起きない。
子どもの絵日記のためだったら、近隣を車で行けば海をはじめ簡単なレジャーはいくらでもある。日帰りで十分にスキンシップが図れる。
わが家が一番ということが、本当の家族中心主義を生んでくれています。


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2011年12月12日

100Φダクトか北側だけに平行弦トラス (生活体験9)


これはどこまでもど素人の考え。
Q値が1.4WのR-2000住宅の時でさえ、空調メーカーが言う風量でなくて、1/2程度の換気風量で全館暖冷房が出来るのではないかと考えていた。
つまり、リターン空気は不要ではないかと。
そして、R-2000住宅の性能を3〜4割も上回るQ値が0.8〜1.0Wの住宅では、室内の温度差がほとんどない。したがって換気用の必要風量だけで充分に賄えると考えているのだが・・・。
換気だけだと100Φのダクトで十分。
しかし、実際に100Φでの換気の場合は、熱交換機との取付部分に消音ダクトを入れないと風切り音がして耳障りだと言うクレームがある。
消音ダクトを採用しても風切り音が納まらない大きな吹き抜け空間への送風の場合は、2口にするか、あるいは125〜150Φのダクトにすべかもしれない。
いずれにしてもQ値が1.0W以上の高性能住宅の場合は、100Φで何m3の空間へ換気と冷暖房空気が送れるか。どうすれば消音が図れるかを、メーカーの責任で 実測で明らかにして欲しい。

さて、100Φのダクトで夏の冷房風を送る場合は、結露を防ぐため25ミリ厚の断熱材を巻く必要がある。そうすると、実質150Φの径となる。125Φだと175Φに。もっとも排気ダクトは断熱材込みでは200Φにならざるを得ないのだが・・・。
ツーバィフォー住宅や一部金物工法で2階の床根太にTJIジョイスト、あるいは I 型ジョイストを使う例が急増している。
しかも、スパンを飛ばすために210ではなく212の292ミリものが多くなっている。
これだと端部から1メートルほど離せば150Φの穴をあけることが構造的に可能。
しかし、175Φの穴だと214でなければならない。
したがって、個室などへのダクトはTJIに150Φの穴をあけることで可能になるが、吹き抜けのある居間などへは別な方法で175Φを配する工夫が必要だろう。
そして、排気ダクトは原則として浴室・洗面・トイレの天井を下げ、あとは根太間で処理をする。
これ以外で一番簡単な方法は、北側の廊下や洗面・浴室部分の根太に212と同じセイの平行弦トラスを採用すること。

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P1050212.JPG

写真はハーティホームで標準採用していた平行弦トラス。これだと150Φでも200Φでも平気。
ダクトがこない部分はTJIを採用し、ダクトの部分だけを平行弦トラスとした。ほとんどの住宅は北側の水回りや廊下空間だけを平行弦トラスを採用することで間に合った。
しかし、ハーティホーム以外で、ギャングネール社のこのトラスを採用したところがなかった。ノーハウをオープンにしていたのだが・・・。
何社かがまとまれば、喜んで生産を再開してくれると思う。
この平行弦トラスさえあれば、ダクト工事は飛躍的に容易になる。
日本に安価なセントラル空調換気システムが普及する きっかけになってくれる、と思うのだが・・・。


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2011年12月07日

住宅用ダクトの径。 設計・工事経験者不足!! (生活体験8)


ビル工事では、天井が吊天井になっており、この空隙に電気(含むIT)、上下水・スプリンクラー・給湯のパイプ、ガス管、給排気のダクトを配することはいたって簡単。
したがって、ビル用デシカ500のダクト径が200φと言っても誰も驚かない。
設計士も工事業者も、慣れたものでスイスイと設計し、工事が進む。
ところが、住宅用のダクト工事となると、とたんに設計にしても施工にしても、手慣れた者がいない。経験者不足という大きな壁にぶつかってしまう。

ビル用の250m3のデシカが、突如今年の春に発売された。
ダクト径は150φと小さくなった。
これだったら小型のビルや診療施設などの施設にも、より簡単に採用されるだろう。
ハーティホーム関係者は150φには手慣れており、喜ばしいことだと考えていた。特別に問題があるとは考えていなかった。
しかし、最近になって各方面から上がってくる意見を聞いて、大問題があることに気付いた。
来秋10月に発売される住宅用デシカ250m3。
このダクトの径がビル用と同じ150φであるとするならば、大きな壁にぶつかる怖れが・・・。

単なる給排気だけだったら、100φのフレキシブルダクト、ないしは亜鉛メッキ鋼板のスパイラルダクトでよい。
一条工務店のロスガード90は、自社で分配機を開発し、100φのダクトを自分で用意した。
冬期は、低い外気が熱交内部で暖かい室内空気と触れる際の結露問題があるが、90%熱回収された空気は室内で結露を起こす心配がない。
したがって、スパイラルでもフレキでも断熱材を巻く必要がない。
第1種熱交換機は、顕熱にしても全熱にしろ、100φのダクトが通るスペースさえ確保すれば、全館給排気が可能。

しかし、この100φのダクト配管でさえ、ほとんどの住宅メーカー、ビルダー、工務店は面倒がる。
勝手に梁や根太を貫通することが出来ないから。
つまり、木質構造のことがよく分からない者が勝手に梁に穴をあけると、耐震面で瑕疵物件になる可能性が大。
今までは100φというと2階のトイレの4インチの排水管しか扱ってきていない。それですら下手な設計士や工事屋は持て余し気味。
それが第1種換気となると、あちこちにある梁と根太で、全室トイレと同じ手間暇がかかってくる。
ビルの場合は、空調換気の専門業者がいるから任せられる。
ところが、低層住宅には専門の空調換気ダクト屋が、一部の地域を除いて不在。

100φでさえ持て余し気味なのに、家庭用デシカの径がビル用と同じ150φだとしたら・・・。
しかも、デシカにはそれなりの暖冷房機能がある。
ダクトがむき出しだと、夏期の冷房時にダクトの外側に結露が生じる。
どうしても断熱材を巻く必要がある。
そうすれば150φではなく、それよりも太くならざるを得ない。
ということは、家庭用デシカは単なるセントラル換気装置ではなく、セントラル空調換気システムと同じか、それ以上に厄介なシステムだということ。
ということになると、この給気ダクトと排気ダクトが重ならないように設計するのは 容易なことではない。
やたらと室内の天井を下げることなく給排気ダクトを配する設計が出来るまでには、最低数棟の経験を積まねばならない。
そして、施工業者も、クレームのない工事が出来るまでには徹底した研修と、最低数回の厳しいチェックをくぐり抜けねばプロになれない。

家庭用デシカが普及するためには、出来れば150φではなく、120φのダクトでよい独創的なシステム開発と、徹底的な技術検証を求めたい。
そして、実体験に基づく具体的な設計手法と工事手法を教える研修会で、設計士と空調換気工事技術者を育てて行かねばならない。

いくら素晴らしいデシカという「機器」を開発しても、設計と施工の細部にまで配慮が行き届いたシステムにならない限り、簡単に普及はしないだろう。
今ごろになってこんなことに気が付くなんて、私も相当にヤキが回ったらしい。

あと10ヶ月しかないが、ダイキンの若い技術者の、これからの追い込みに期待しよう。


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2011年12月04日

家庭用デシカに求められる性能と機能 ? (生活体験7)


23年前。
関東地域で初めてQ値1.4WのR-2000住宅を建てる時、問題になったのがセントラル空調機の能力。
それまでの空調界の常識は、最低100W/m2であった。
つまり、150m2(約45坪) の住宅の場合は、15kWの機種が必要とされていた。3kWの機種なら最低5台は必要だということ。いや、間欠運転を前提にすると、立ち上げ時にはこの50%アップの性能さえ求められていた。
それを、R-2000住宅では最初は安全側を考え60W/m2とした。24時間全館空調運転を大前提にしたのでこれでは過剰性能と考えられた。
いろんなケースを体験してR-2000住宅だと50W/m2で十分ということが分かり、この基準を約300戸に応用してきた。
本当は、もう少し少なくてもよいと思ったが、メーカーと施工業者は万が一のことを考えて、必ず安全側を選ぶ。それに同意してきた。

これが、Q値が0.9WのS邸では35W/m2で十分と考えられた。しかし、ダイキンエアテクノ東京では安全側をみて40W/m2を選定。 
S邸では地下室ならびに小屋裏空間まで考えると、280m2×40W=11.2kWとなった。
実際に選んだのは4馬力11.2kWの動力。定額10kWの機種。
この動力機種は除湿能力が足りず、すでに書いたとおり初年度の夏にアメニティビルトイン型 5.0kW 2台を追加して、これに変更。あくまでも試験運転だったので11.2kWはそのままにしておいた。

そして、更に昨年の8月からはベンティエール全熱交2台に替えて、ビル用デシカ500を試験採用。
デシカは十分な除加湿能力を持っているので、今度はアメニティビルトインと透湿膜加湿器に休んでもらい、再び11.2kWの動力に再登場願った。
送風能力の面からも大きな機種が必要と考えられたから。
そして、昨年の8月から今年の8月までの13ヶ月に亘ってデータがとられた。
夏期および冬期、梅雨時の温湿度の状況は すでに書いたとおり。
ただ、問題になったのが11.2kWの動力機。
デシカ500には除加湿機能のほかに、5.5kWの暖冷房機能を持っている。
したがって、いずれにしても大幅な性能オーバー。

昨年の8〜12月の中旬までは空調機優先運転をさせていたが、12月下旬からはデシカ優先運転に切り替えた。
その結果、11.2kWの動力機の稼働量は、中間期はデシカと同程度だったが、夏期には半分になってしまった。
大きな家だから最初は10トントラックを入れた。さらにデシカの5トントラックが加わって15トンの能力になった。
ところが一番稼働率の高い1月の平均で、デシカは5kW弱とほぼその能力を発揮してくれていたが、空調機の平均消費電力は低かった。夏期も同様。
つまり、小型トラックで間に合うお一人様の学生の引っ越しに、10トントラックが動員されたのと同じ状態。
ほとんど空荷に近い10トントラックが、20分間の長い赤信号で暖気運転をして一休み。青信号に変わって発進運転をし、5分間の運転で再び長い赤信号。
これでは、誰がどう考えても小型トラックの方が ガソリン代が少なくて済む。

250m3のビル用デシカの暖冷房能力は2.8kWと500m3の半分。
2.5トントラックと考えてよかろう。
これを住宅用デシカの場合は、小型トラックに匹敵する程度の空調機能を、デシカの中にあらかじめ取り入れるべきではなかろうか ?
そして、家庭用デシカの場合は壁掛けエアコンを排除して、セントラル空調換気除加湿システムとして24時間運転を大原則とした方が、省エネ面でも快適面でもベターではなかろうか ?
その上で、半日とか1〜2日家を開ける場合は、換気量と設定温湿度を落とすスィッチを採用ことによって、より省エネを図るシステムにして行くのがベターではなかろうか ?

ただし、これはQ値が1.0Wを切り、気密性能が0.9cm2/m2以上の住宅の場合に限定した話。
Q値が1.5W程度で、気密性能が1.5cm2/m2のような住宅場合はどうなるのか ?
何はともあれ、デシカの能力を発揮できる最低の気密性能はどの程度なのかをまず明確に示してもらわねばならない。0.5cm2/m2なのか、0.9cm2/m2なのか、それとも1.5cm2/m2なのか。あるいは・・・。
そして、最低Q値についても・・・。
気密、断熱性能の低い住宅の場合は、ダウンサイジングしたビル用の250m3を採用するしかない のかもしれない。
そこらがどのように展開して行くかについては、現時点ではデータが乏しく まだまだ不明というのが現状らしい。


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2011年11月29日

超高性能住宅用インバーターエアコン (生活体験6)


大都市の片道2車線以上の道路。
時速60キロのスピードと、時速30キロのスピードで自動車が走った場合、どちらの方がガソリンの使用量が少ないか・・・・という実験を何ヶ月か前のテレビでやっていた。
私は、当然30キロのスピードの方の燃費が少なくて済むと考えた。
ところが結果は逆。 時速60キロの方が少なかった。

何故かと言うと、スピードが遅い時速30キロ走行だと赤信号に捕まる確率が高くなる。
このため、常にアイドリング運転と急発進を繰り返さねばならない。
急発進の回数が時速60キロの場合に比べて格段に多くなる。
これが大都会の一般道路ではなく、赤信号のない高速道路での50キロ運転と100キロ運転だと、100キロ運転の方が時間は早いが エネルギーは余分にかかる。
これに対して信号の多い大都市でのノロノロ運転では、時間もかかるし燃費も嵩む。
したがって、制限速度の最高速度で走った方がもっとも経済的だと教わった。

20年前までは、毎年のようにアメリカやカナダを訪れていた。
初期はツーバィフォーの合理的な生産・流通・販売・職人教育システムを究明するためであり、後半はカナダのR-2000住宅という当時では世界で一番科学された高気密・高断熱の理論とシステムを学ぶためであった。
季節が春とか秋だったらよい。
冬とか夏の場合は、どのホテルに泊まっても、またレンタカーでモーテルを選んでも、一晩中 空調機の騒音に悩ませられた。
カナダのロッキー山脈の山麓のホテルの場合は、温水パネルの輻射暖房だったのでホコリも少なく安眠が出来た。
しかし、バンクーバーをはじめとした大都市のホテルは、冬の暖房以外に夏の冷房運転が必要なためにいずれもエアコン方式。一晩中騒音が鳴り響いていた。
しかも東海岸の冬は日本の表日本と同様に超乾燥。科学繊維の厚いカーペットの廊下に立ってドアのノブに触れると指先に静電気が走り、思わず声を出さされる。

世界で、一番早くインバーターエアコンを開発し、その普及率が100%というのは地球上日本だけ。
インバーターというのは周波数変換装置のことで、電圧、電流、周波数をコントロールする技術。
エアコンの心臓部のヒートポンプを動かすには、インバーター以前はON、OFFしかなかった。
しかし、現在ではコンプレッサー (圧縮機) やファンを動かすモーターの回転数はインバーターで細かく制御。温度差がある時は高速運転し、温度が一定になると低速運転。
しかもCOPが4〜6というヒートポンプが採用されており、日本のエアコンは世界一省エネ。
10年前にダイキンの工博がアメリカの需要開拓に出発する直前に、いろいろ情報交換をさせてもらったが、インバーターエアコンの普及は下記の図のとおりで、世界的にはまだまだ低い。
アメリカのホテルや住宅のセントラル空調換気システムで、その後どれだけインバーターエアコンが普及したかは確かめていない。
いまでも、夏と冬の旅行では 悩ませられているかも知れない。

http://www.daikin.co.jp/csr/information/lecture/act01.html

さて、何が言いたいのかというと、超高気密住宅では、先に書いたようにインバーターエアコンが低速運転というよりも、ほとんど動いていない。20分休んで5分運転というような状態をよく見かける。
だとしたら、例えは8kWの機種ではなく、2kWの機種にして、より運転時間を長くした方が得ではないかという素人の発想。
赤信号で停車し、急発進を繰り返すのではなく、トロトロと走り続ける方が省エネになるのではないかという思いつき。

超高気密住宅用インバーターエアコンとして、この燃費比較実験を メーカーにお願いしたくなってきた。


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クレームレス・・・・冬期加湿の最大メリット (生活体験5)


S邸では、今年の夏までの約4年間に生じたクレームは4つしかない。
1つは、防火偽装による一部サッシの交換。
2つは、全熱交によるセントラル空調換気システムの夏期の除湿力の不足。
3つは10センチと厚い無垢のカリン材天板の収縮により生じた隙間処理。
4つは、真っ白のウールのカーペットの内壁際に生じた若干の汚れ。

まず、1点はメーカーが謝りにきて、「補修工事をさせて欲しい」 と申し込んだが、現時点では隣家との距離も十分に空いており、類焼の心配はほとんどなく、Sさんの方から当面の補修工事を断った。つまり、クレームにはならなかった。

2点は、初めての試験採用だったので、新規にアメニティビルトイン空調機2台を新設し、ダクト工事と新しいドレーン配管などで費用はかかったが、かなりの部分をメーカー側が負担してくれ、Sさんの負担は20万円で済んだ。これはシステムに対する改善点指摘という面が強い。

3点の無垢材の収縮による処理は、コーキングによって簡単に終わった。 4点のカーペットの若干の汚れは、原因を追及中。

このようにS邸では、4年間にビルダーに対する実質的なクレームは、たったの2件しか発生していない。
地場ビルダーや施主は、新築してから3年間に多くのクレームが発生し、手直し工事をした経験を持っている。
とくに、乾燥する冬期に集中的に発生する。

●無垢の構造材を使った木軸の場合は、構造材が収縮する「ギー」という木鳴き音。
●根太や大引きなど、加圧注入防蟻材の収縮による床鳴り。
●階段のきしみ音。
●和室をはじめとした造作材の隙間の発生。
●中でも、ドア枠などのトメ部分のズレが夏期になっても修正されない。
●無垢の床柱の割れ。
●無垢の床フロアー材のサネの隙間が大きくなり、ゴミが溜まり易い。
●クロスあるいは塗り壁と造作材との隙間の発生。
●とくに入隅部でのクロスとクロス、あるいは塗り壁の隙間発生。
●マグサの狂いによるサッシ、ドアの建付け不良。
●建具や家具の開き戸の狂いによる調節の必要。
●結露やダニ、カビの発生。
●その他、雨漏り、各種設備機器類の不具合、性能に対する疑義など。

かつて私も、こうしたクレーム処理で飛び回っていた。
クレームの時こそ、施主の本音に接するチャンスであり、嫌だと感じたことはなくむしろ喜んで出かけた。しかし、藤和時代の最後の頃は 私の仕事の60%がクレーム対策となり、営業マンによる歩合制度の欠陥を痛いほど思い知らされた。
このため、ハーティホームでは営業マンを全廃した。そのことで、クレームは画期的に少なくなった。だが、私の仕事の1/3はクレームと、クレームを先取りして事前に施主と現場を訪問して回ることに使った。残りの1/3は新しい技術のリサーチ&開発であり、1/3はネットによる需要開拓。

その経験に照らしても、あまりにもS邸のクレームは少なすぎる。
そして、先に挙げた13点のクレームをよく見ると、90%は 「湿度」 に関係していることを再確認させられる。
如何に工事中に現場を徹底的に管理しても、完成後の湿度管理が出来ない住宅だと、どうしても工事部やアフター部の負担が増える。
「住宅産業はクレーム産業である ! 」 などと開き直っている向きが多い。
前向きの負担ならよい。しかし、後ろ向きの負担は生産性を落とすだけ。
そして、利益が薄くなって前向きの投資が出来なくなる。
湿度管理に対する理解力と技術力の無さと日本の気象条件が生んでいる悲劇。

S邸の4年間弱の実質的なクレームが、たったの2件しかなかったという事実を、じっくり考えていただきたい。


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業務用デシカの夏期の除湿 (生活体験4)


S邸の夏期の除湿については、すでにフォーラム欄で報告しましたが、念のために簡単に書き残したいと思います。

S邸に採用したのは、あくまでも市販されている業務用デシカ500m3。
したがって、新製品の250m3でもなく、まして家庭用デシカ250m3の試作品でもありません。
したがって、性能値そのものは公開されていたものを再確認したということであって、ランニングコスト面以外は、それほど新規性はありません。

今年の7月、8月とも、S邸の平均室温は27〜28℃で、相対湿度は40%前後。絶対湿度は9.0〜9.2グラムというところ。
非常に安定しています。
温度、湿度とも、鉛筆で横線を2本、真っ直ぐに引いたよう。

今年の夏、2度ばかりS邸を訪れましたが、外がカンカン照りであっても、蒸し暑くても、玄関に入ると汗がスーツと引きました。
それこそ、カラッとしていて ランラン気分。まさに軽井沢の別荘なみ。
小一時間も居ると、首周りもスカーッとしてきて、ジトジト感は1つもなし。
一日中この状態ですから、安眠が出来ます。
ストレスも吹き飛びます。
相対湿度が40%だと、室温は29〜30℃でも十分に快適なはず。
最初は、「もったいない」 という気がしていましたが、二時間も居ると、身体が快適さに慣れて、それが当たり前に。
ダイキンの報告書には「夏期の除湿については問題なし」 と書かれていましたが、その通り。

ついでに関心があったのは、5月から6月にかけての梅雨どき。
5月上旬には相対湿度が50%を突破し、最高55%にまで達していました。
しかし、温度を見ると22℃。絶対湿度は9.0グラムと7、8月の最低値と同じ。
したがって、中間期も、梅雨時も問題なし。

実験的に、相対湿度35%で、30〜32℃での生活体験をしてみたいと思いましたが、これは次の課題として残しておくことにしましょう。


posted by x-unoblog at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活体験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

冬期の加湿 (生活体験3)


冬の加湿については、全熱交のベンティエールと、業務用デシカの2例をS邸で経験。
ベンティエールの場合は、S邸では全熱交以外に透湿膜加湿器を備えていた。(この詳細については07年12月23日付の〈空調換気・3〉を参照)
透湿膜は水質が悪いと、日に一度水を取り換える時に、電磁弁にカルキなどが挟まって水が流れ放題になるアクシデントがあった。
しかし、S邸では水を濾過する特別なシステムを地下に設けたので、アクシデントの心配は皆無。
水道水でも大変に美味。
そして、相対湿度は自在に変えられた。50%でも60%でも可能であった。
ところが、実態は45%以上にすることが出来なかった。

サッシに関しては、当時はPVCが準防火認定をとっていたので、カネカが新開発した真空断熱材を使ったU値が1.28Wのサッシをメインに採用した。道路に面した南面はそれで良かった。
しかし、西面や北面で隣地に接する2階和室の窓などには1.98Wの網入りを使わざるを得なかった。
このため、Q値が0.78Wで上がる計画だったものが0.9Wに後退せざるを得なかった。(詳細は07年8月9日の〈サッシ3〉を参照)
この準防火地域での苦労は、PVCサッシやアルプラの耐火偽装事件でさらに厳しくなってきている。
日本のサッシメーカーの無責任さと怠慢さには、呆れてしまう。

そのような事情で、1.98Wのサッシをかなり用いざるを得なかった。
このために、冬期は45%以上に湿度を上げると、障子を閉めたり、厚手のカーテンを引くと どうしても狭い空間部の温度低下で、サッシの下部に結露が生じてしまう。
冬期、結露の心配がなく相対湿度を50%にするには、どうしても1.0Wを切る高性能サッシが欲しい。
そうすれば、50%を間違いなく維持出来るので、ウィルスは死滅する。
つまり、家の中に居ると、風邪に罹らない住宅が得られる。
これからの高齢化社会を考えると、22℃で相対湿度が50%の住宅を供給してゆく責任がビルダーにはある。 家づくりには、それぐらいの社会的な責任がある。
甘く考えている人は、去っていただくしかない。 
それが出来てこそプロ。
しかし準防火地域では、超一流のプロでも、簡単にはこのハードルを越すことが出来ない。
大手のサッシメーカーが、揃ってサボっているから。

しからば、透湿膜加湿器を使わなかった場合はどうか。
これについてはY.S邸での経験が参考になる。
Y.S邸の初年度の冬は、相対湿度が平均して40%を切ることが多かった。
「来年は透湿膜の簡易加湿器を買わねばならないだろう」 とご夫妻で話あっていた。
しかし、2年度からは相対湿度がアベレージで40%になり、簡易加湿器の購入の話はペンデングになったまま。
Y.S邸では、今年の春までの冬期は、24℃程度で生活していたはず。
「今年は節電ということで22℃での生活を考えています」 と奥さん。
温度が2℃下がると相対湿度は7%近く増える。したがって、ウィルス・レスとはいかないまでも、かなりな快適生活が送れるだろう。

そして、昨年から業務用デシカに切り替えたS邸は、透湿膜の使用をやめてデシカだけとした。
冬期の相対湿度は22℃で、平均の相対湿度は40%を超えているが、40%以下の日が2割もあった。
したがって、ダイキン報告書のまとめでは、「冬期の加湿力は若干不足気味」 と書かれている。

しかし、この報告書を鵜呑みにするわけにはゆかない。
なぜなら、S邸は約85坪と大きく、育ち盛りのお子さんは2人ともアメリカ留学中。
大きな家に2人だから、内部発湿がものすごく少ない。
しかも、ご主人は企業のトップだから忙しい。 
奥さんも医療関連の免許を取得するため出かけることが多く、内部発湿がゼロという時間帯も多かった。
このため、ダイキンの「まとめ」とは異なり、私の判断では一般的な35〜40坪の住宅の場合だと4人家族の場合は軽く50%を突破するし、2人だけの生活でも、小さな家だと50%近い相対湿度が確保されると報告書を読んだ。
この読みが正しいかどうかは、これから集積さけるデータが教えてくれるだろう。


posted by x-unoblog at 13:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活体験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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