2011年12月07日

住宅用ダクトの径。 設計・工事経験者不足!! (生活体験8)


ビル工事では、天井が吊天井になっており、この空隙に電気(含むIT)、上下水・スプリンクラー・給湯のパイプ、ガス管、給排気のダクトを配することはいたって簡単。
したがって、ビル用デシカ500のダクト径が200φと言っても誰も驚かない。
設計士も工事業者も、慣れたものでスイスイと設計し、工事が進む。
ところが、住宅用のダクト工事となると、とたんに設計にしても施工にしても、手慣れた者がいない。経験者不足という大きな壁にぶつかってしまう。

ビル用の250m3のデシカが、突如今年の春に発売された。
ダクト径は150φと小さくなった。
これだったら小型のビルや診療施設などの施設にも、より簡単に採用されるだろう。
ハーティホーム関係者は150φには手慣れており、喜ばしいことだと考えていた。特別に問題があるとは考えていなかった。
しかし、最近になって各方面から上がってくる意見を聞いて、大問題があることに気付いた。
来秋10月に発売される住宅用デシカ250m3。
このダクトの径がビル用と同じ150φであるとするならば、大きな壁にぶつかる怖れが・・・。

単なる給排気だけだったら、100φのフレキシブルダクト、ないしは亜鉛メッキ鋼板のスパイラルダクトでよい。
一条工務店のロスガード90は、自社で分配機を開発し、100φのダクトを自分で用意した。
冬期は、低い外気が熱交内部で暖かい室内空気と触れる際の結露問題があるが、90%熱回収された空気は室内で結露を起こす心配がない。
したがって、スパイラルでもフレキでも断熱材を巻く必要がない。
第1種熱交換機は、顕熱にしても全熱にしろ、100φのダクトが通るスペースさえ確保すれば、全館給排気が可能。

しかし、この100φのダクト配管でさえ、ほとんどの住宅メーカー、ビルダー、工務店は面倒がる。
勝手に梁や根太を貫通することが出来ないから。
つまり、木質構造のことがよく分からない者が勝手に梁に穴をあけると、耐震面で瑕疵物件になる可能性が大。
今までは100φというと2階のトイレの4インチの排水管しか扱ってきていない。それですら下手な設計士や工事屋は持て余し気味。
それが第1種換気となると、あちこちにある梁と根太で、全室トイレと同じ手間暇がかかってくる。
ビルの場合は、空調換気の専門業者がいるから任せられる。
ところが、低層住宅には専門の空調換気ダクト屋が、一部の地域を除いて不在。

100φでさえ持て余し気味なのに、家庭用デシカの径がビル用と同じ150φだとしたら・・・。
しかも、デシカにはそれなりの暖冷房機能がある。
ダクトがむき出しだと、夏期の冷房時にダクトの外側に結露が生じる。
どうしても断熱材を巻く必要がある。
そうすれば150φではなく、それよりも太くならざるを得ない。
ということは、家庭用デシカは単なるセントラル換気装置ではなく、セントラル空調換気システムと同じか、それ以上に厄介なシステムだということ。
ということになると、この給気ダクトと排気ダクトが重ならないように設計するのは 容易なことではない。
やたらと室内の天井を下げることなく給排気ダクトを配する設計が出来るまでには、最低数棟の経験を積まねばならない。
そして、施工業者も、クレームのない工事が出来るまでには徹底した研修と、最低数回の厳しいチェックをくぐり抜けねばプロになれない。

家庭用デシカが普及するためには、出来れば150φではなく、120φのダクトでよい独創的なシステム開発と、徹底的な技術検証を求めたい。
そして、実体験に基づく具体的な設計手法と工事手法を教える研修会で、設計士と空調換気工事技術者を育てて行かねばならない。

いくら素晴らしいデシカという「機器」を開発しても、設計と施工の細部にまで配慮が行き届いたシステムにならない限り、簡単に普及はしないだろう。
今ごろになってこんなことに気が付くなんて、私も相当にヤキが回ったらしい。

あと10ヶ月しかないが、ダイキンの若い技術者の、これからの追い込みに期待しよう。


posted by x-unoblog at 19:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 生活体験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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