2011年11月29日

クレームレス・・・・冬期加湿の最大メリット (生活体験5)


S邸では、今年の夏までの約4年間に生じたクレームは4つしかない。
1つは、防火偽装による一部サッシの交換。
2つは、全熱交によるセントラル空調換気システムの夏期の除湿力の不足。
3つは10センチと厚い無垢のカリン材天板の収縮により生じた隙間処理。
4つは、真っ白のウールのカーペットの内壁際に生じた若干の汚れ。

まず、1点はメーカーが謝りにきて、「補修工事をさせて欲しい」 と申し込んだが、現時点では隣家との距離も十分に空いており、類焼の心配はほとんどなく、Sさんの方から当面の補修工事を断った。つまり、クレームにはならなかった。

2点は、初めての試験採用だったので、新規にアメニティビルトイン空調機2台を新設し、ダクト工事と新しいドレーン配管などで費用はかかったが、かなりの部分をメーカー側が負担してくれ、Sさんの負担は20万円で済んだ。これはシステムに対する改善点指摘という面が強い。

3点の無垢材の収縮による処理は、コーキングによって簡単に終わった。 4点のカーペットの若干の汚れは、原因を追及中。

このようにS邸では、4年間にビルダーに対する実質的なクレームは、たったの2件しか発生していない。
地場ビルダーや施主は、新築してから3年間に多くのクレームが発生し、手直し工事をした経験を持っている。
とくに、乾燥する冬期に集中的に発生する。

●無垢の構造材を使った木軸の場合は、構造材が収縮する「ギー」という木鳴き音。
●根太や大引きなど、加圧注入防蟻材の収縮による床鳴り。
●階段のきしみ音。
●和室をはじめとした造作材の隙間の発生。
●中でも、ドア枠などのトメ部分のズレが夏期になっても修正されない。
●無垢の床柱の割れ。
●無垢の床フロアー材のサネの隙間が大きくなり、ゴミが溜まり易い。
●クロスあるいは塗り壁と造作材との隙間の発生。
●とくに入隅部でのクロスとクロス、あるいは塗り壁の隙間発生。
●マグサの狂いによるサッシ、ドアの建付け不良。
●建具や家具の開き戸の狂いによる調節の必要。
●結露やダニ、カビの発生。
●その他、雨漏り、各種設備機器類の不具合、性能に対する疑義など。

かつて私も、こうしたクレーム処理で飛び回っていた。
クレームの時こそ、施主の本音に接するチャンスであり、嫌だと感じたことはなくむしろ喜んで出かけた。しかし、藤和時代の最後の頃は 私の仕事の60%がクレーム対策となり、営業マンによる歩合制度の欠陥を痛いほど思い知らされた。
このため、ハーティホームでは営業マンを全廃した。そのことで、クレームは画期的に少なくなった。だが、私の仕事の1/3はクレームと、クレームを先取りして事前に施主と現場を訪問して回ることに使った。残りの1/3は新しい技術のリサーチ&開発であり、1/3はネットによる需要開拓。

その経験に照らしても、あまりにもS邸のクレームは少なすぎる。
そして、先に挙げた13点のクレームをよく見ると、90%は 「湿度」 に関係していることを再確認させられる。
如何に工事中に現場を徹底的に管理しても、完成後の湿度管理が出来ない住宅だと、どうしても工事部やアフター部の負担が増える。
「住宅産業はクレーム産業である ! 」 などと開き直っている向きが多い。
前向きの負担ならよい。しかし、後ろ向きの負担は生産性を落とすだけ。
そして、利益が薄くなって前向きの投資が出来なくなる。
湿度管理に対する理解力と技術力の無さと日本の気象条件が生んでいる悲劇。

S邸の4年間弱の実質的なクレームが、たったの2件しかなかったという事実を、じっくり考えていただきたい。


posted by x-unoblog at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活体験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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