2011年12月22日

関心事はQ値よりも除加湿に (生活体験11)


前回、建設大臣認定の「R-2000住宅認定番号66番」の住人・Sさんご夫妻の 築1年後の率直な感想をお伝えしました。
新居の性能と生活には十二分満足していたが、いずれどちらかの両親を引き取らねばならない。
両親と同居するには、八千代市は不便。
そこで、築9年目に転居を考えました。
幸い都内の杉並に、第2種風致地区で1種住専1種高度の良い土地が見つかった。
「この土地で希望する間取りと、R-2000住宅以上の快適な住宅建築が可能だろうか」 との下相談を受けました。
まず区役所を訪ね、風致と緑化計画などを調べ、2つの叩き台用プランを作成して、「間取り的には問題はありません」 と報告。
その報告に基づいてSさんは新規に土地を購入し、八千代のR-2000住宅を手放しました。
近隣の人の中にS邸を購入したいと希望した方があったが、不動産価格が冷え込んでいた時だったので容易に転売出来る状態でなかった。
そんな時だったが、R-2000住宅の性能を高く評価する希望者が現れ、不動産屋さんが驚くほどの価格で新しい入居者に引き渡されました。

次に問題になったのは、R-2000住宅以上の快適さ。
Sさんご夫妻は、単にR-2000住宅基準のQ値1.4Wという断熱性能と、C値0.9cm2/m2という気密性能だけに満足していたわけではありません。
セントラル空調換気+除加湿機能の方に より高い満足度がありました。

気密断熱性能では、当時スウェーデンのハンスさんで話題になっていたQ値0.8Wの断熱性能と、C値0.2cm2の気密性能のパッシブハウスを提案しました。 
いずれもR-2000住宅の性能基準を大幅に上回っており、机上計算では限りなく「無暖房」 に近い住宅が得られるはず・・・。
ところが、準防火地域のため、隣地に接する北面および西面、さらに2階の東面と南面の一部に網入りの防火サッシを使わねばならず、当初予定していたU値1.28Wのサッシのかなりの部分を1.98Wに変更せざるを得なかった。
このため、Q値は0.9Wとなり、準パッシブハウスとなったことはすでに説明済み。

それよりも問題だったのはセントラル空調換気+除加湿システム。
当初のダイキンの除湿システムは、除湿専用の室外機を持ったもので、加湿は透湿膜に依存していました。
このシステムが12年ぐらい前から、「エアカルテット PLUS」 に変更。
加湿は今まで通り透湿膜に依っていたが、除湿はデシカント除湿ロータに変わった。
このデシカント除湿の性能が、「今までのものよりトロイ」 というのが消費者の反応。
このため、何を選んでよいか迷っている時、一条の仕様書発注で90%熱回収の全熱交がダイキンで生産されているのを知り、セントラル空調換気システムに応用出来ないかと考えました。
エアテクノに相談したら、潜熱も交換するのでエンタルピ効果が高いとのこと。
これを、除加湿効果が高いと受け止めてしまいました。
そして、(生活体験1) で説明したように、臭いの移転を阻止するため光触媒機能を付加し、Sさんが自主的に特殊浄水施設を設置したので透湿膜も取り付けました。
このため冬期の相対湿度はいくらでも高くすることが可能に・・・。 だが、網入りの1.98Wサッシに結露が生じるので、相対湿度は45%がマキシマム。
ところがこの全熱交は夏期の除湿能力はゼロ。
空調機を再熱ドライに切替えたことも 既に説明した通り。

つまり、1年目、2年目のSさんご夫妻の印象は、「準パッシブハウスよりもR-2000住宅の方が、全体として良かったかもしれない」 というもの。
たしかに、冬期は透湿膜を併用していたので加湿には不満がなかった。
夏期は、空調機を再熱ドライに変えても、最初の除湿システムよりは劣っていると感じたよう・・・。

たしかに、R-2000住宅から準パッシブハウスに気密断熱性能は40%近く改善された。
しかし、寒冷地ならともかく温暖地の東京では、それが大きなメリットとして実感出来るほどの差はなかった。
暖冷房費が大幅に下がれば、それなりの感動があったでしょう。
しかし、住宅の規模が2倍近くも大きくなったので、冷暖房費が増えて当然。
画期的に改善されたという印象が薄い。
関心事のほとんどが除加湿問題にとられて、断熱気密性能が良くなった有難味が実感できなかったというのが実態。


posted by x-unoblog at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 生活体験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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