2007年09月28日
基本ルール (石膏ボード5)
在来木軸の現場へ行くと、時折泣きたくなる。
いきなり9mmの壁石膏ボードから張り出したりしている。
軸組にあっては、石膏ボードは単なるクロス下地にすぎない。
構造耐力としてカウントされていない。
9mmだと15分程度だったと思うが、ある程度の防火性能はある。
「だから、クロス下地として張ってさえあればいい」という程度の認識しかない。
石膏ボードの張り方に、基本的な大原則があるということを知らない軸組の大工さんや現場監督が、如何に多いことか…。
そして、木軸では原則として3尺ピッチに柱が入っている、としょう。
ボードは、柱の芯から柱の芯へ張ればいい。
1.5尺間隔に入っているのはあくまでも間柱。
ボードの暴れを少しだけ抑えてくれればいい。
だから8分(24mm)でいい。
そして、外壁は筋交いでなく仮にOSBなどのボードを張ったとする。
しかし内壁には筋交いを入れないと構造耐力上持たない。
こうした住宅が、中越地震でどのような被害を受けたか?
震度7の川口町の烈震地では、外壁に面材のない住宅は倒壊した。
外側に面材を用いた住宅では内壁の筋交いが圧縮され、面外坐屈によってボードは両面ともはじき飛ばされてしまった。
しかし、外壁にOSBの面材を使っていたので、住宅の倒壊は免れた。
そして、外壁の外側での被害は少なかったが、内側の石膏ボードはかなりやられた。
サッシは柱と柱につけられる。
その柱の芯から石膏ボードが張られているため、開口部の両端で、とくにサッシの上部で軒並みといっていいくらいクラックが入った。
そして、この現象は、何も震度7の烈震地に限ったことではない。
震度6の地震が繰り返された地域では、かなりの確率で外壁の石膏ボードにクラックが入っていた。
これに対して、同じ地域でのツーバィフォーにはほとんどクラックが見られなかった。
これは石膏ボードの厚みが9mmではなく12.5mmだったということがある。
また、ツーバィフォーは指定されたクギを使っているということもある。
しかし、一番大きな理由は、外壁の合板も内壁の石膏ボードも、開口部回りでは面材をくり抜くようにして施工するように枠組壁工法の公庫仕様書に指定されている。
つまり、柱と窓まぐさの部分が暴れるのを事前に察知して、対策が用意されている。
ツーバィフォーの外壁合板は、端から455mmの間柱から張り出すというルールが徹底している。
内部の石膏ボードも、原則として端から455mmのスタッドから張り出す。
このため、出隅の部分に幅50mm程度の細いボードが張られることがない。
木軸もそうすれば耐震性能が上がる。
しかし、端から455mmの部分から張り出すということは、24mmの細い間柱から間柱へ張るということになる。
クギがうまく刺さらず、強度も落ちる。
中越地震で、軸組の弱点を一番露呈したのがこの間柱の細さにあった。
そして、柱の芯からボードを張り出すため、出隅の部分では50mm程度の端材が壁の両面に張られるようになる。
この端材が震度6以上の揺れで剥離して、幅木や回り縁までも一緒に剥離しているという現場をいくつか目撃した。
そして、地震とは関係なく、先に天井を張ってから壁を張るという原則を守らなかったがために、火が天井裏へ回った火災現場が今までに多くあったはず。
こうした石膏ボードの基本を、木軸のメーカーやビルダー、あるいは設計事務所や建材屋は、どれだけ大工さんへの周知徹底を図ってきただろうか?
研修と現場のチェックを本気で行ってきただろうか?
いずれにしても被害を受けるのは消費者。
石膏ボード工事を馬鹿にしている木軸は、つまり間柱の細さに最大の欠陥を持っている木軸工法は、震度6以上の地震がもたらすクラックの被害からは絶対に抜け出すことが出来ない、と断言出来る。
しかし、こんな断言をしているのは私だけ。
私が狂っているのか、それとも世の中の建築士様が狂っていなさるのか?
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