2008年03月27日

掃出窓直下のタイルへの断熱 (断熱11)


掃き出し窓の直下の床の温度は、床材がウッドフロアー、カーペット、タイルにかかわらず、中央部に比べて2〜3℃低いという事実を前に書きました。
そして、めったに窓下へ行かないので、実生活ではそれほど問題はありません。

しかし、厚いウッドフロアーとタイルの上面を揃えるため、タイルに団子状の接着剤をつけ、タイルの下に空気層が出来ました。
このため、窓際の空気が対流を起こし、タイルの表面は暖かいけれどもタイルの底が冷えるという現象が起きてしまいました。
たしかに、タイルは熱伝導率がよい。
したがってウッドやカーペットよりは掃き出し窓下の低い温度帯がやや広いのはやむを得ません。
しかし、空気の対流によりタイルの裏が冷えるというのは想定外。
そこで、対流を防ぐ工事を行いました。

なにしろ、この時期なのにマイスターは多忙すぎ。
今月の引き渡しが8棟というので手が回らず、遅れての工事となりました。


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まず、タイルを剥がす。
これが大変な手間。貼るのに比べて数倍以上の時間がかかる。
そして、強力な掃除機で砕いたタイルの粉を吸い取る。

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長いストローをつけて、タイルの奥まで断熱材を注入充填。

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注入が終わると乾燥するのを待つ。

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乾燥した断熱材を切り取り、コーキングして空気の対流をとめる。
そして、新しいタイルを施工する。

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なお、S邸では相対湿度を1%単位で増減出来ます。
したがって、サッシのガラスの下部に結露すると、結露しない範囲まで相対湿度を落として調節が出来る。
しかし、ペアーガラスのLow-Eで、内側にハニカムサーモを使った場合は、ガラスの下部にどうしても結露が生じます。
それを防ぐためにH邸では伸縮タイプの窓下専用ウィンドラジエーターを設置していました。
結露する朝方に合わせてタイマーをセット。
ハニカムサーモなどを使う場合には、これは大いに役に立つ。
ともかく、ラジエーターを固定しないのがいい。
H氏に感謝しながら紹介させていただきます。 
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2007年09月12日

天井断熱 (断熱10)



天井断熱と根太断熱は異なる。
R-2000住宅の仕様では、2階の床根太の外周からワン・スタッド分、つまり455mmのところまでは根太間一杯に断熱材を充填する。
そして、直行している根太の場合は、455mmの部分にブロッキングを入れる。
そのブロッキングの部分をよくコーキングして、外周から455mmの根太までを断熱・気密空間とする。
したがって、壁のべバーバリアをそのコーキングをした根太の部分まで伸ばす、というもの。
この施工方法は、今でもツーバィフォーでは広く採用されている有効な方法。 
本来は、木軸工法でも採用すべきもの。

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ただし、2階の天井面全体をべバーバリアで覆うマイスターハウスの場合は、直行する根太の455mmの位置にブロッキングを入れる必要はない。
外周ワン・スタッド分に、外壁用の断熱材を充填させ、その内側に100mmの天井断熱材を充填。

この天井断熱材の目的は断熱ではない。
どこまでも吸音。
グラスウールよりもロックウールの方が若干吸音性がよいので、ほとんどが最低50mmの吸音ボードを使っている。
しかし、最近ではこのロックウールよりも2階の床の上に石膏ボードを敷いた方が、効果が高という考えが出てきている。
吸音とか遮音が主目的だから、変わって行くのもわかる。
しかし、S邸では100mmのロックウールが1階と2階の天井に施工され、さらに2階の床に石膏ボードが施工された。
やりすぎ?

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提供されたロックウールはビニールで包まれた耳つき。
この種のものは、べバーバリアによる気密工事をしっかりやらない低レベルのビルダー向けの製品。
ハーティホームでも素人の社長がこの採用を提案したようだが、プロの業者にとっては大変に扱い難い迷惑品。
こういった面でもグラスウールメーカーの方が商品的に小回りがきき、プロにとっては扱いやすい。
ロックウールメーカーはもっと足腰を強くして、小回りをきかせてフィットする必要な製品を提供してゆかないと、撥水性の外断熱以外では見向きされなくなりますぞ!


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2007年09月11日

外壁充填断熱 (断熱9)


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外壁充填断熱材として、今までのグラスウールをロックウールに変えたことによって不都合が生じてきた。
グラスウールはべバーバリアを前提にしているので表面材はない。
都合良く140mmのロックウール断熱材を用意してもらったが、片面に表面材があるので、1方向にしか使えない。
それに、厚いロックウールの場合、カッテングがそれほど綺麗に出来ない。
昔は415mm幅の断熱材がほぼ7割の壁に使えた。
ところが、最近のパネル化した壁では415mm幅のものがそのまま使えるところは1割程度しかない。まぐさ受けや2本柱などで、ほとんどの断熱材は幅詰めをしなければならない。
ということで、断熱材の施工のプロは細長い材料を、スタッドの幅に合わせてカットした。長手方向のカットだと、表面材のついたロックウールでは綺麗にカット出来ない。またロスも多く出てしまう。
このカットの方が見た目の納まりも綺麗。

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そして、小さなブロックを上から幾つも重ねるように施工。
「仕上げは綺麗だが、手間暇が今までの倍はかかる」と断熱工の親方。
たしかに慣れの問題があるので一概には言えないが、製品としてもう少し現場の声を反映した方が使いやすくなるのではなかろうか。

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このように仕上げは、素人目にはなかなかのもの。

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この外壁断熱材充填工事で一番感心したのが、台所前の壁の造作大工さんの下地仕事。
スタッドにあらかじめ受け材を入れておき、合板にビスクギが事前に用意されていた。
したがって、断熱材工がロックウールを充填し、ビスをねじれば、下の写真のように簡単に吊り戸が付けられるように仕上がる。

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2007年08月22日

続・屋根断熱 (断熱8)


そんな次第で、屋根断熱はウレタンで気密をとるありふれた屋根断熱になってしまった。
珍しくはないが、一応工事を追いかけてみることにしょう。

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寄せ棟の場合は、タルキの上端に通気の欠き込みをとっておかねばならない。
ブラケットによる外断熱の採用を考えていたので欠き込みがなかった。
このため大工さんがドライバーで上端に穴をあけて回る、手戻り工事となってしまった。

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通気層のためのネット。通気層をとるにはこれ以外にもいろんな方法がある。

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サウナよりも暑い真夏の小屋裏。ネオマフォーム65mmの取り付けが、したたる汗の中で必死の思いで続けられる。

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壁とタルキが養生される。
トラックの中で2液が混合されてホースでポンプアップされる。
眼鏡やマスクをはじめ全身を完全に覆ったプロがウレタンを吹き込んでゆく。

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タルキや壁の養生が剥がされると綺麗な勾配天井がお目見えする。
吹き厚は120mmだが130mm以上はある。

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そして小屋裏はタルキや屋根梁が見えないまで吹きこまれており、150mm以上の吹き厚があろう。
したがって、机上の計算値よりも熱損失が小さくなるはず。

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2007年08月21日

屋根断熱 (断熱7)



「どうせやるなら外壁の外断熱だけでなく、屋根断熱も一緒にやってみよう」という山口社長の意気込みで、屋根断熱も計画した。

写真は見にくいが、当初は左側の208の壁で計画した。
ところが、ポリスチレンを挟んだマグサを使ってもK値が0.261Wにしかならない。
なんとしても0.21Wを切りたい。
でないとQ値0.8Wを切ることは出来ない。

そこで、右図のロックウール外断熱を用いると0.204Wと28%も性能がアップすることがわかった。
ついでに屋根をKMブラケットによる100mmロックウール外断熱で計算してみた。たるきの中に100mmのロックウールを充填するとK値は0.185W。
当初の左図の通気層30mm、ネオマフォーム66mm、ウレタンの現場発泡120mmの重装備でのK値が0.177Wであった。
ほとんど変わらない。
そして価格は格段に安くなる。
しかも、二階の天井には吸音のために100mmのロックウールを入れる。
したがって、実質的なK値は0.13Wと考えることが出来る。

それと、屋根までロックウールの外断熱にすると、右図のべバーバリア(A)が可能になってくる。
北海道の音熱環境の三星氏に計算してもらったら「東京だと−4℃以下にならないと結露現象は起きない。もし心配だったら100mmにしたら絶対に安全」とのご託宣。
「よし、それでゆこう」となった。


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ところが、風致地区で北側境界線から1.5mも離しているのに、外断熱の屋根を採用すると軒の高さが234mmアップして北側斜線に引っかかってしまう。
施主のSさんに相談したら「母屋下がりは嫌だ」と断られた。

したがって屋根断熱は、残念ながら左図の当初の計画で行くことになった。
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2007年08月20日

縦胴縁 (断熱6)


外断熱工事と平行して、大工さんによる縦胴縁工事が進行。
S邸は乾式タイル仕上げ。
このため、縦胴縁は25mm厚を用いた。
サイデングとかモルタル仕上げの場合は、必ずしも25mmにこだわらなくてもよい。

さて、アメリカで見られない縦胴縁を、一体誰が考案し、いつ頃から日本で流行したのかという疑問…。
札幌の高倉氏の話によると、1980年頃に札幌の雑誌社を中心に民間の資材関係者と先進的なビルダーが参画した「北海道住宅研究会」が毎月定例会を開いていた。
床下のなみだ茸が問題になっていた時で、これを解決するには縦胴縁を設けた方が良いという意見が出され、それがいつの間にか定着していったという。
したがって、誰が開発したということではなく、自然発生的に誕生し、その効果を確認しながら、やがて道などの公的機関が追認したという形。

縦胴縁の厚さは6分から8分まで。
つまり18mm、21mm、24mmというものが多かった。
そして、R-2000住宅がオープン化された1991年には、この縦胴縁を前提に設計・施工マニュアルを作成したから、その時点で日本的な広がりを見せていたと考えて間違いない。
私が採用していた縦胴縁厚は6分、18mmがほとんどだった。
外断熱ではなく、構造用合板に直に縦胴縁を取り付ける場合は、結露防止という目的から考えるとこれで十分。
そしてこの場合は、構造計算すると縦の帯金物がなくてもいいとも言われた。
もっとも私の考案した仕様は、9尺の構造用合板を土台から2階の床根太にまでかけて張らせていたので、縦の帯金物はもとより不必要。

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縦胴縁の施工は開口部回りの施工がポイント。
それとブラケット工法の場合は、ブラケットの上で斜めカットして継ぐことが肝要。
この写真は途中で気が付いて訂正する前。

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訂正したあとの継ぎ手。

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そして、感心させられたのはコーナーの幅広の胴縁。
206の18フィートものを25mm厚に割いて、一本もので見事に納めていた。
これもコロンブスの卵そのもので、なるほどと唸らせられた。

真四角な家だと8本で足りる。
それでいて、強固なものとなる。

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このがっちりとした面構え。
これを首長のクギで持たせているひ弱な発泡系の外断熱と比較していただきたい。
これだと震度7の、2500ガルの直下型地震にもびくともしないことが分かる。

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多くのビルダー仲間が、現場見学会でこのたくましい姿を見て納得した。
「これだったら充填プラス外断熱で行ける。これこそが外断熱の本命だ」と。
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2007年08月18日

外張用ロックウール (断熱5)


さて、いよいよ外断熱工事。
今回は、べバーバリア層を石膏ボード下に設けるので、外部はいたって簡単。
3尺×2尺の外張り用の堅いロックウールを、下から順にブラケット中に差し込んでゆくだけ。

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しかし、断熱工の装備を見て頂きたい。
ヘルメットを被り、この暑いのに長袖のシャツを着て専用の軍手をまとっている。
それだけではない。きちんとマスクを着用。
たしかに岩綿は石綿に比べると繊維が太い。
このために、肺に吸収されて悪性胸膜中皮腫になる懸念は少ない。
しかし、岩綿にしろ、木材のノコ屑にしろ、肺に入ると良いことはない。
マスクを着用するに、こしたことはない。

一般の地場ビルダーの場合は、大工さんに断熱材を施工させている。
繊維系の断熱材を扱う場合、必ず長袖、手袋、マスクを着用することを指示しているだろうか?
私が使っていた大工さんはすべて軸組出身で、私からツーバィフォーをマスターしてくれた人ばかり。したがって、断熱材工事でそれを強要すれば、皆がそんなものだと納得して従ってくれたはず。しかし強要してこなかった。
大工さんはチカチカする断熱材の施工を歓迎しなかった。
そして、中には手抜きとまではゆかなくても、気抜き工事があった。
このため、途中から現場発泡に全面的に切り替えた。
現場発泡の専門工は、長袖、手袋と厚いマスクをまとっていた。

マイスターは、繊維系断熱材の施工を嫌がる大工さんから切り離し、当初から断熱専門工を養成してきている。
最初、どの職種にこの工事をやらせるべきかと考えた。
思案の結果、辿り着いたのがシロアリ屋さん。
薬物を扱っているので、長袖、手袋、マスクは常用していた。
そのシロアリ屋さんが多角化して、現在は同社のあらゆる断熱材に対応してくれている。

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断熱材の中央に軽くカッターを入れて、ブラケットの中に差し込むだけ。

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そして、定尺もので納まらない窓回りとかバルコニーの裏側などは、後から端材を切って充填してゆく。

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そして、このロックウールの良いところは、撥水性があること。
グラスウールだとこの状態で雨に当たると大ごと。養生を急がねばならない。
ところが、この工事をしていた7月の下旬には、2日連続でバケツをひっくり返したような瞬間豪雨に見舞われた。
たしかに表面は濡れていた。
しかし、剥がしてみると裏面はなんともない。
台風の場合は吹き飛ばされる怖れがあるので養生が必至。だが、それ以外の場合は養生の心配は不要。
北海道では、雪の舞う中で平気で工事をしていた。
これは、現場を預かる者にとっては大変に有難い。

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ポリカーポネートのブラケットの耐火性を気にしている人がいる。
このように不燃の岩綿に覆われ、顔を出しているのはほんの一部。
その上に25×50mmの縦胴縁が施工され、さらにタイル下地サイデングとタイルが施工される。
このため、この外張り工法で工業会は防火30分の大臣認定を取得している。
さらに、準防火45分の認定も申請する予定。

もし、隣家が火事になったら、私が一番心配するのはアルミサッシ。
いかにアミ入りガラスを使っていたとしても、最初にやられるのは建具枠とか窓枠ではなかろうか。
木製やPVCサッシに比べて、アルミサッシの防火基準はどう考えても甘すぎる。
是非、公的機関で比較試験をお願いしたい。
ポリカーポネートの防火性を心配するよりも、サッシ枠の方がはるかに問題ではなかろうかと懸念するのだが…。


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2007年08月17日

出隅の納まり (断熱 4)


出隅の納まりは、メーカーの仕様書では次のように書かれている。
木軸の4寸角の場合「その芯にブラケットを取り付けて、それにコーナー受け材を取り付けて、出隅を幅広の縦胴縁で抑えなさい」と。

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つまり220mm×220mm程度の板をL字型にくり抜いて「コーナー受け材」として使いなさいということ。
当然のことながら無垢の板だと力がかかると割れる。
そこで「24mm以上のランバーコアを用いなさい」と書いてある。
ランバーコアというのは、一般に内部造作に用いられるもの。
構造用ランバーコアがあるのかもしれない。ただ、北海道の現場を見た時にこのランバーコアに山口社長も私も引っかかってしまった。

中越の川口町の直下型の烈震のすごさ。
震度7よりも、2500以上という想定外のガルの脅威。
外断熱によって浮いた存在になっている外壁仕上げ材。
これは、直下型の強烈なガルには弱い。
それに耐えるには、中途半端であってはいけないという共通の認識。
100年とか200年。あるいは数世紀に一度あるかないかという烈震。
「それを想定して家を建てるというのは過剰性能だ」という意見がある。
建築基準法以内に納めておき、それ以上であれば、それこそ「天災」として諦めるべきだという考えも理解出来る。
しかし、あと一工夫でその天災から免れるのだったら、一工夫をしたい。

私は、床用の構造用合板29mmを使うべきだと考えた。
3×6板が2枚もあれば十分に足りる。
ところが山口社長は、それでも不十分と考えた。
そして、コーナー受け材を取り払った。

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これだとブラケットの数が1つの出隅で18本、全部で72本増える。
しかし、コーナー受け材を作る材料代と手間代を考えると、せいぜい1万円高程度で済んでいるのではないだろうか。
とすれば、ブラケットの最大の目標である「仕上げ材の保持力」がはるかに強化される「山口方式」を、私は全国の仲間に奨励したい。
これも、素晴らしい工夫であり発見だと考える。

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そして、入り隅には、ブラケットの受け材として204のスタッドを一本余分に入れる必要が出てくる。


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2007年08月16日

ブラケット (断熱 3)



KMブラケットについて簡単に触れておく。
外装仕上げ材を保持するのが役目だから、本来は金属製の鋳物かステンレスの加工品が良いという気がする。
丈夫で火災にも強い。
しかし、金属はヒートブリッジになって熱を逃がしてしまう。
そこで採用されたのが、主原料がポリカーポネート樹脂。これにファイバーグラスが少々。
衝撃強度は強化ガラスの150倍、アクリル板の30倍。
限りなく金属に近い。
そして、熱伝導率が0.19Wと言うから木材なみ。

ポリカーポネートは防弾盾とかガレージの屋根や準防火地域の屋根材としても使われている。
しかし、樹脂だからそれほど火に強いわけではない。
それを補っているのがロックウール。

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KMブラケットの外壁用標準サイズが緑色の60mmと青紫色の100mm。
北海道では100mmを採用しているが、今回はとりあえず60mm。

これを、45坪の住宅だと約700個取り付けなければならない。
メーカーのマニュアルを見ると、1人の大工さんが日に300個から350個は取り付けられると書いてある。
45坪の家だと2人工強で済むということ。
S邸だと4人工という勘定。
仕事そのものは難しいものではない。
墨に沿ってブラケット1個当たり4本のネジクギを、インパクトドライバーで捻り込んでゆけばいいだけ。
マイスターは、かつて軽井沢でこのブラケットの施工を経験したことがあるという2人の大工さんを、念のために一日動員していた。

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この経験ある大工さんの仕事ぶりを眺めさせてもらった。
片手でブラケットを押さえ、片手でネジ溝にネジクギをつけて一本目のクギをインパクトドライバーで捻り込むのは、それほど簡単ではない。
一本打って両手が使えるようになると、残りの3本は簡単に打てる。
とくに高い位置とか、しゃがんでの低い位置に最初の一本を捻り込むのは、コツというかそれなりの熟練が必要。
作業ぶりを腕時計で目算したら、1日に300本がいいところという仕事ぶり。

そして、ツーバィフォーの現場だから、間柱の見付寸法が38mmある。
穴は4ヶ所とも内側と外側に2ヶ所ずつ抜いてある。
ツーバイフォーは捻り込みやすい外側の穴を使ってもスタッドから外れることはない。
しかし、これが軸組で、30mm以下の間柱を使っていたとしたら、内側の穴しか使えず、しかも場合によっては間柱からクギが外れて捻り込まれる可能性がある。
8分程度の間柱だったら、本当にメーカーが言っているような生産性と外壁の保持力が保証されるのだろうか…。

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そして、家の中に入ったら現場監督が面白いことをやっていた。
両面テープの一方の紙を剥がしてブラケットを並べて貼っている。
長いテープに貼り終わると、これをカッターで1つ1つ切ってゆく。
それを袋に詰めて他の現場監督に渡している。

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袋を受け取った監督は、裏面の紙をはがし、これを墨に合わせて壁に貼ってゆく。

これは素晴らしいアイディア。
これだと、最初から両手でインパクトドライバーが使える。
うまくすれば350個どころか500個近くとりつけられる。
熟練よりも工夫。発見は現場にしかないという立派な証明。
初めてブラケットに取り組んだ現場監督の、考える習慣がもたらしたアイディアの勝利。

やたら嬉しくなって、貴重なノウハウを公開させていただく。
現場監督、バンザイ!

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2007年08月14日

準備と墨出し(断熱 2)

ブラケットを取り付ける前にやっておかなければならない仕事がある。
それは、基礎上端の気密、防蟻保護モルタル、墨出しなど。
これが、現場監督の主な仕事。

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まず、土台と基礎の部分をコーキングして回る。
フレーミングの土台の取り付けの時に、EPDMゴム発泡の2本のレール付きシートを土台の下に敷いていたから、このコーキングは必要ないようにも感じるが、同社では必須の工事となっている。

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それが終われば、バルコニーの下地工事に来た左官屋さんが、防蟻用の銅メッシュが現れている部分をモルタルで抑えて保護してゆく。

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さて、いよいよ墨出し。
レベルで、下部の基本となる位置を墨出す。
ブラケットは、左右は間柱間隔、つまり455mmピッチとか500mmmピッチにとりつけられる。ただし、500mmピッチに合うロックウールが簡単に入手出来るかどうかは定かではない。メーターモジュールの場合は確かめていただくしかない。
そして、上下の間隔は600mmピッチ。
しがって、下から追えばブラケットが9本あれば間に合う勘定。

仮に間口5.0間、奥行き4.5間の、総2階建て延べ45坪の住宅があったと仮定する。
この外壁に455mmピッチでブラケットを入れるとすると合計80列に入る。
この外に出隅には2本ずつ余分に必要だから4つの隅で8列、合計で88列ということになる。
つまり88列×9本=792本となる。
開口部があるから、それを差し引くと約700本のブラケットが必要という勘定。

その約700本のブラケットの位置を下から隅部出してゆく。
この墨出しの絶対条件は、当然のことながらサッシが入る前であること。
サッシが入っていたのでは一気に墨が打てない。
そして、意外に手間取るのが縦の墨。
上で墨を付ければ、自動的に下におろせ、墨を打ち終わると自動的に巻き上がる墨壺があればいいな、とつくづく考えさせられる。

さて、この墨出しの人工計算をすべきであった。
新しい工事の場合、時間を測定するタイムスタディがアメリカでは基本。
工程会議に出席していないので、工程が把握出来ず、折角のタイムスタディのチャンスをみすみす見逃したのが残念。

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墨が打たれると、まず土台と1階壁がテープされる。
そして、一番下部の部分にブラケットがステンレスメッシュとともに取り付けられる。
このメッシュは25mmの通気層の中に虫が入るのを防ぐのが目的。防蟻面でも副次的な効果が期待出来るかもしれない。
このブラケットの位置を確認してフレーマーが帯金物を付けてゆく。
どこまでもブラケットが優先。
帯金物は当然、屋根に瓦が載ってから締められる。

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2007年08月13日

前口上 (断熱 1)



今までの充填断熱だと、サッシを取り付け、タイベックを張り、ダクト・配線・配管工事が終わってからのお出ましとなる。

ところが、今回は充填プラス外断熱。
KMブラケットを取り付け、その間を撥水性のロックウールを充填。
そしてKMブラケットに縦胴縁を取り付け、その上に念のためにタイベックを張り、乾式のタイル仕上げ。
この工事が、サッシの取り付けと同時のスタート。
もちろん、内部の充填断熱施工はかなり後。

このKMブラケットの存在は2年前からネット上で知っていた。
しかし、用意されているロックウールの厚みが60mmと100mm。
外断熱は、厚みが厚くなればなるほど外装仕上げ材の保持力が弱くなる。
どんなに長いビスクギを使っても、震度7の直下型地震には耐えられない。
これが、ビルダー仲間数人と中越・川口町の烈震地をつぶさに視察した私共の結論。

そして、札幌の仲間からは住宅の密集した市街地では、外断熱にボード状のグラスウールを使っても、隣家が火事になると熔解するという実例を聞いていた。使うならロックウールしかないと。
したがって、プラスチック系の発泡断熱材を外断熱として使うことは、一種の犯罪行為ではないかと私は個人的に考えている。一時は、充填断熱で足りないところを20mm厚程度のネオマフォームの外断熱でと考えたが、尻込みした。密集地での類焼に最後まで責任が持てないから…。

昨年ドイツへ行ったら、外断熱はほとんどミネラルウォールという天然のロックウール。
とくにRC造の断熱改修工事はミネラルウォールのオンパレード。
このため、ロックウールに対する信頼感は高まったが、外装仕上げ材の保持力に不安があり、採用する気にならなかった。
「せめて40mm厚だったら、なんとかタイル下地として使えるだろう。北海道はサイデングとかガルバニウムを使っているから60mmとか100mmでも良いだろうけど…」

これはとんでもない誤解。
しかし、そういった先入観で頭が凝り固まってしまっていた。
このため「外断熱として使えるのはドイツ生まれのエコボードしかない」と盲信していた。

今年の春、札幌で真空断熱のセミナーが開かれた。
内地から8人の仲間と押しかけた。
真空断熱そのものは、現時点では平方メートル当たり7000円と高く、とてもすぐには採用出来ない。
しかし、雪の中で行われていたKMブラケットによる撥水性のロックウールを見て「真空断熱は無理としても、この外断熱だったら使える」と直感した。
外装仕上げ材の保持力が135kg/m2もあると聞いたから。
「100mmが135kgです。60mmだと180kgは十分にあります」

本来だったら、直ぐに断熱性能値や価格の比較をやったはず。
ところが、千葉の石田ホームが茨城でのパッシブハウス第1号に最初は206の充填プラス外断熱を検討していた。しかし、最終的に208にするとの報告があった。
いろいろ熱負荷計算をやった上での決定だったので、関東ではその方が良いのだろうと自分で考えるのを中断してしまった。
そして、石田ホームにチラシの作成頼まれて「208の外壁のK値は0.22W」と書いたら、「コンピューターでは0.27Wという数値しか出てこない」と言われた。
そこで、R-2000住宅の初期の外壁のスタッドと最近のパネル化した外壁、中でも208のスタッドを比較したら、雲泥の違いがあった。
つまり、ヒートブリッジになる木部が大幅に増加し、断熱材面の比率が激減していた。

そこで、急遽206充填断熱プラスKMブラケットによる60mmのロックウール外断熱の計算を行ってみた。そしたらKが0.20Wから0.21Wの数値があることが分かった。
確認をとった後での設計変更。
幸い、確認は206でとっており、変更手続きが不要とわかった。
施主のSさんの了解を得て、関東地域での最初の試行を行うことになった。

KMブラケットそのものの採用は、最初ではない。
神奈川の三栄ハウスが数年前にはかなり扱い、これとは別に軽井沢の別荘でも採用されている。その別荘の現場をマイスターの山口社長が見ていた。
だが、今までは単に外断熱として採用されていただけ。
充填断熱プラス外断熱で、K値0.2Wを目指す本格的な採用としてはまさしく第1号。

そして、お世辞を言うわけではないが、マイスターの現場力はすごい。
北海道で見た工事には、納得出来ない点があった。
ランバーコアでの出隅の納まりがややこしく、疑問が残った。
しかし、初めての採用なのに、マイスターはこの工法を完全に自分の物として消化し、全国のビルダーに対して、ベストのモデルに仕立て上げてくれた。

コロンブスの卵だが、そのすごさをじっくりとご覧あれ。
posted by x-unoblog at 06:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 断熱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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