2007年10月11日

コンセントの穴 (石膏ボード12)

アメリカの建築現場を見て最も驚いたのはその生産性の高さ。
しかし、それ以上に驚いたのは「後工程がお客さま」という考えが徹底していたこと。
壁だけを張る専門の石膏ボード工が、配管だけでなくコンセントやスイッチボックスの穴をきちんと開けていた。

日本では、大工さんがコンセントの大まかな位置を墨出してくれていれば「御」の字。
それすらないために、電気工がボードをカナヅチで叩いて、音の変化でコンセントの位置を探り出していたありさま。
それだけに、ボード工のコンセントの穴開けの作業は見ていて飽きなかった。

すでに触れたように、アメリカでは4X14尺のボードの横張り。
上を張ってから下を張る。
コンセントボックスはほとんど下のボードに集中。
まず、ボードを必要な長さにカット。
それを所定の壁の位置の床に置く。
そして上から覗いて金太郎が担いでいるような形の、柄の長い小さなナタでコンセントボックスの横幅をボードの裏に傷で印をつける。
簡単に傷が付いたら、メジャーでボックスの上下寸法を測り、これまたナタで位置を出す。
その四角い部分をカッターで簡単にくり抜く。
一枚のボードに2、3ヶ所コンセントボックスがあっても、あっという間に終える。

とても信用してもらえないが、何人かのボード工の作業量を測定したところ、4X14尺のボードを1人で1日に70枚はこなしていた。
アメリカの分譲住宅は間取りが大きく、日本のような狭い押入はなくクロゼット。便所だけという狭い空間はなく洗面と一緒で最低でも一坪。
ということで張りやすいことは間違いないが、1人で日に80坪以上をこなすのを見ていると、参ったというよりはその体力に呆れてしまう。 

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日本はほとんどが3X8ないしは3X9尺の縦張り。
所定の台の上にボードを置き、歩いてメジャーで測ってきた寸法を落として穴をあけ、開け終えると運んで壁に取り付ける。
アメリカのようにその場で開けるというわけにはゆかない。
しかも、このボードのように壁出しの配線やダクトを含めて1つのボードで6ヶ所も穴をあけなければならない場合がある。
このためマイスターでは、ボード工が全てのコンセントやスイッチボックスの穴を開けるのを勘弁してもらっている。

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印の穴が開いていて、後で電気工が開けて回っている。
もちろん日本でも、ボード工に全てのコンセントボックスの穴開けを義務化している会社もある。

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最近は配線箇所が増えてきている。
S邸では、1人の電気工が穴あけで丸2日かかっていた。
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2007年10月09日

梁受け金物 (石膏ボード11)


私は最近、ツーバィフォー工法の金物が鼻についてきています。
日本の軸組工法で開発した剛金物。
表面に顔を出さず、梁などの中に納まっているから、防火の面でもなかなかのもの。
この優れた金物を、ツーバィフォーにも使えないか。
私が協会の役員だったら、積極的に動いていると思います。
しかし、世の中には積極的に改革、改善をやろうという技術者が少ない。
やたらと大梁を使うようになってきているのだから、同じ木構造として、木軸の優れたところは採り入れてゆけば良い。
そして、北米へ逆輸出したらいい。
そんな発想をする者がツーバイフォー業界にいなくなった。

石膏ボード張りで、一番問題になるのが梁受け金物。
梁の下部は少し梁を掻き込めば金物は面内に納まってくれる。
ところが、左右にはみ出した部分は、ボードを掻き込むしかない。

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このように、カッターでボードに掻き込みを入れます。

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そして、金物の上に接着剤を塗り、ボードをフラットに取り付けます。

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同じ作業をもう一度。
カッターで金物の厚さ分だけボードを掻き込む。
掻き込んだボード。

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これを、梁受け金物に接着剤併用で取り付けてゆきます。
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2007年10月08日

耐水ボードと配線位置 (石膏ボード10)



ひと頃、ホルムアルデヒドのことでジャーナリストは神経質に騒ぎたてた。
ビルダーとしてホルムアルデヒドの少ない建材を選んだ。
しかし、新築した家へ行ってホルムアルデヒド濃度を測定すると高い。
あわてて犯人捜査。
すると、ほとんどが施主が新しく買い込んだ家具が犯人だった。

住宅の場合は、☆が4とか5の建材を厳選した。
ところが、東南アジアとか中国で生産される家具にはホルムアルデヒドがプンプンする合板やボードが使われていた。
それが安物の家具屋だけでなく、名の通った家具チェーン店でも堂々と売られていた。
えらい被害をビルダーと消費者は受けました。

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ということもあって、石膏ボードもホルムアルデヒドの心配のないハイクリーンボードに切り替えたところが多い。
ただし、台所、便所、洗面脱衣室は防水ボードにしなければならない。
紫色にみえるのがハイクリーンボードで緑っぽいのが防水ボード。
けじめが必要。

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それと、ボード専門工のすごいところは「後工程がお客さま」という観念が行き渡っているので、ボードを張った時、必ず配線の位置を天井と壁ボードにエンピツで隅を出していること。
これは絶対にエンピツでなければならない。
マジックだとクロスに染みが出る。

ボード工と造作大工さんの仕事が分離されている場合に、この墨がものを言う。
間違っても、回り縁をとめるクギはここには打たない。避けることが出来る。

ボードと造作をまとめて請け負っている大工さんで、この墨出していることやっているのを見かけたことがない。
自分は、絶対に配線の位置にクギを打たないという自信があるからであろう。
だが、万が一ということがある。
慣れればどうということはない。
是非、ボードにこの配線の位置を墨出すというクセをつけてほしい。
ほんのちょっとしたことだけど、とても重要なことだと私は思う。
それを、押し売りします。
「さあこのアイディア。安いよ、買った。買った」

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この墨出しは天井面だけでなく、幅木の取り付けの時のために、床面の壁にもなされる。
これがあれば、造作工事は大船に乗った気分で仕事が出来るというもの。
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2007年10月06日

割付 (石膏ボード9)


フレーミングが9回だったのに、石膏ボードはあと2、3回余分に続く。
フレーミングの重要度が低いということではない。
各社ともフレーミングは手慣れており、改めて紹介するところが比較的少なかっただけのこと。

これに対して石膏ボート工事は、慣れたビルダーは別にして、一般的にビルダー各社の工事がどうしても甘い。
とくに、木軸から変わったばかりで、訓練を受けていない大工さんの場合は、往々にして間違いが見られる。
つまり、木軸の場合は、ボードは単なるクロス下地。
張ってさえあればいいという意識がそこかしこに残っている。
これに対してマイスターハウスの場合は「ボード工」という専門職人が存在している。
毎日ボード張りで生活している。したがって、手本となる点が多い。
このため、フレーミングよりも知っていて欲しい点が多くあったという次第。


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ボード割付の基本は、隅から455mmのスタッドから張り出すこと。
木軸では間柱が細いために、これが不可能。
何故そんなことをするか。
写真のように、開口部の部分で石膏ボードをくり抜くようにするため。
在来木軸の住宅は、直下型の地震で開口部回りの石膏ボードにヒビが入る。
中越地震では震度5強の地域からそのような被害が散見された。
したがって、間柱の見付け寸法を大きくするということと、隅から尺5寸のところから張り出すということを木軸の基本にすべき。
これをやらないと、どんなに制震技術を応用しようが、開口部の4隅でのヒビ割れを防ぐことが出来ないはず。
しかし、私の知っている範囲内では、そのような仕様書を持った木軸のハウスメーカーは見当たらない。

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開口部の4隅部でボードを継がないために、このようなテクニックも用いられる。
もちろん継がずに、長くくり抜くのが基本。

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そして、難しいのが外壁回りの石膏ボードの割付。
とくに3尺の開口部が上下で連続する場合などは、ボード工の腕の見せ所となってくる。
写真のやり方がベストだというのではない。
開口部の4隅でのクラックを防ぐ1つの手法として、是非とも参考にしていただきたい。

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2007年10月04日

階段室まわり (石膏ボード8)


ツーバィフォー工法に取り組んだ各社が、一番泣かされてきたのは二階の床根太の収縮。
いかに含水率が18%以下の乾燥材を使っても、一年もたつと含水率が14%程度になり、根太セイが4〜5mmは痩せる。
そのため、階段室回りの石膏ボードが圧縮され、クロスにみっともないシワが入ってしまった。
外壁モルタルにクラックが入ったこともあった。
これを避けるために、二階床根太の内外に幕板を張って逃げた。
無垢材を使っている以上、避けられないことであった。

ところが最近では、北米で210の床根太の採用が大幅に減少してきている。
70%がTJIなどのトラスジョイストに変わってきていると聞く。
ということは、資源的にも210がますます少なくなってくる。
210の需要が減ってくれば、日本へ輸出される210の適材がますます少なくなる。
北米は分譲住宅が主流。
したがって、建築途中で多少見てくれが悪くても問題にならない。
強度さえあればビルダーは使ってくれる。
ところが日本は注文住宅が主流。
見てくれが悪いものは買ってくれない。
そこで「ジャパン・グレード」と呼ばれる、ワンランク上のランバー規格が出来た。

アメリカの国内で、210の需要が減ると言うことは、ジャパン・グレード相当の材も減ってきているということ。
そして、日本のようにうるさいことを言わずに黙って買ってくれる中国などのマーケットが育ってきている。
もはや北米にとっては、日本は最良のお客さんではなくなってきている。
こうした資源的な背景もあり、二階の床に無垢の210材を使っているところが少なくなってきた。
ほとんどがTJIに変わってきており、しかも210ではなく212を採用するところが増えてきている。

マイスターハウスも212のTJIで、端根太にはLSLと呼ばれるランバーストランドを採用している。
つまり、2階根太の収縮がほとんどなくなってきている。
しからば、根太の部分で石膏ボードを継いでも問題がないように思うが、万が一のことを考えてボードの継ぎ手は根太の部分を避けている。

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写真のように根太部分を避けて階段室は3枚張り。
そして、裏には15mm合板の飼い木を入れて一体化。
わざわざブロッキングを入れる必要はない。

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吹き抜けや勾配天井の壁の場合も、同様に処理している。
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2007年10月03日

壁ボード張り (石膏ボード7)



壁ボードは、北米の場合は4X14フィートの横張り。
最初に上の部分を横張りする。
この部分にはコンセントやスイッチボックスが少ないので、簡単に張れる。
そして、ややこしいのは下部。
「後工程がお客さま」ということで、壁ボード工の責任でコンセントボックスや配管など全ての穴をあけて行かなければならない。
それでも、1人で1日に約100坪近い住宅をこなしてゆくのだから、見ていると呆れるという以外に言葉がない。


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まず、入り隅部にコーナービートを入れて行く。
この目的は、間仕切り壁に荷重がかかって下がり、よくクロスにシワが出来てクレームになる。
それを防ぐため。
もちろん、コーナービートを入れさえすれば、入り隅部のクロスのシワ問題の全てが解決するという簡単な問題ではない。

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日本では3X8尺ないしは3X9尺の縦ばり。
公庫の標準仕様書にあるように、204材の先を斜めに切ったものをテコとして使い、ボードを天井面に強く押し上げてスクリューどめ。

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2階の床にボードを施工した場合は、ボードと床の隙間は少ない。
この時は、専用の金物で押し上げて施工する。
ダクト回りがきちんと抜き取られている。

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2007年10月01日

天井ボード張り (石膏ボード6)

当然ボードは天井から張り出す。
アメリカの大都市だと、2人組の天井ボードだけの専門工がいる。
いずれも背が2メートル近くと大きい。
そして4X14フィートの長尺のボードをヘルメットの頭で抑え、足が30cm程度の短く平らな脚立だけで簡単に8尺から上の天井面を張ってゆく。

日本のように天井面からやたらと電線が頭を出していたり、ダウンライトなどの天井灯が一切ない。
このため、2人の天井ボード工で、吹き抜けや勾配天井がなかったら日に100坪の天井を張ってしまう。
日本のボード工に比べると10倍近い生産性。
それはそれで見事なもの。
やはり天井灯の存在と、材料の大きさと、簡単な脚立だけで仕事が出来るという背丈がものを言っている。
日本の建築費が高い理由がここにもある。

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日本の場合、公庫の仕様書では「天井に用いるのは4X8、3X9、3X12というなるべく長尺を用いることとし、やむを得ない場合は3X6とすることが出来る」となっている。
長尺ものを用いて、出来るだけ継ぎ目を少なくしなさいと言っているのだが、ほとんどが振り回しの簡単な3X6版で処理されているのが現実。
しかも、日本の注文住宅では、二階の根太方向や、天井根太方向が一方向とは限らない。
どこからどの方向へ張り出すかを、現場でボード工が智慧を絞って決める。
長尺ものを使えば根太間に受け材を入れる必要がないのに、受け材を入れなければならない場合が時には生じる。
べバーバリアを切り離して受け材を入れ、あとでべバーバリアをきちんとテープで固定するという余分な仕事が・・・。

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マイスターハウスでは全面的にハイクリーンボードを採用している。
天井面の排気ダクトの穴あけ。
四角く位置を出し、センターを決め、先の切れるコンパスでボードの表面の紙を切る。
そして、細いノコで丸く切り落とす。

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天井ボードは3X6。これを千鳥張りにしている。長尺だと千鳥張りの必要はない。
脚立を並べて足場板を渡し、その上で2人がボードを抑え、要所をスクリューどめ。

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要所がとめられると、1人が次のカッテングに行き、1人がスケールでスクリューの位置を墨出してとめる。

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そして、千鳥張りのボードとボードのジョイント部分はVカットして、パテ処理がきちんと施工出来るようにする。

北米と日本のボード工事で決定的に違うのは、北米では「ドライウォール工」が存在し、Vカットのボードではなくテーパーボードを使っていること。
このテーパーボードを文字で説明するのは至難。
テーパーボードの木口はΛではなく「ヘ」の字ように長く抉れていて、単にパテだけではなくバズーカー砲で紙と一緒に抑え、さらに2回ばかりフラットボックスやコーナーフィニッシャーという器具で均して一体化する。
このため、壁は鏡のようにフラットに仕上がる。

日本のツーバィフォーメーカーは、このドライウォールの採用をさぼった。
このため、一部のビル工事などを除いてドライウォール工が日本で育っていない。
群馬に原澤工業というドライウォールの専門会社がある。
一度だけお願いしたことがある。仕事はため息が出るほど綺麗。
だが、日本では4X14尺のボードがなく、テーピング箇所が北米の2倍も多く、このため大変に割高になってしまう。
したがって、無い物ねだりと諦めるしかない。
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2007年09月28日

基本ルール (石膏ボード5)


在来木軸の現場へ行くと、時折泣きたくなる。
いきなり9mmの壁石膏ボードから張り出したりしている。
軸組にあっては、石膏ボードは単なるクロス下地にすぎない。
構造耐力としてカウントされていない。
9mmだと15分程度だったと思うが、ある程度の防火性能はある。
「だから、クロス下地として張ってさえあればいい」という程度の認識しかない。
石膏ボードの張り方に、基本的な大原則があるということを知らない軸組の大工さんや現場監督が、如何に多いことか…。

そして、木軸では原則として3尺ピッチに柱が入っている、としょう。
ボードは、柱の芯から柱の芯へ張ればいい。
1.5尺間隔に入っているのはあくまでも間柱。
ボードの暴れを少しだけ抑えてくれればいい。
だから8分(24mm)でいい。
そして、外壁は筋交いでなく仮にOSBなどのボードを張ったとする。
しかし内壁には筋交いを入れないと構造耐力上持たない。

こうした住宅が、中越地震でどのような被害を受けたか?

震度7の川口町の烈震地では、外壁に面材のない住宅は倒壊した。
外側に面材を用いた住宅では内壁の筋交いが圧縮され、面外坐屈によってボードは両面ともはじき飛ばされてしまった。
しかし、外壁にOSBの面材を使っていたので、住宅の倒壊は免れた。
そして、外壁の外側での被害は少なかったが、内側の石膏ボードはかなりやられた。
サッシは柱と柱につけられる。
その柱の芯から石膏ボードが張られているため、開口部の両端で、とくにサッシの上部で軒並みといっていいくらいクラックが入った。

そして、この現象は、何も震度7の烈震地に限ったことではない。
震度6の地震が繰り返された地域では、かなりの確率で外壁の石膏ボードにクラックが入っていた。
これに対して、同じ地域でのツーバィフォーにはほとんどクラックが見られなかった。
これは石膏ボードの厚みが9mmではなく12.5mmだったということがある。
また、ツーバィフォーは指定されたクギを使っているということもある。
しかし、一番大きな理由は、外壁の合板も内壁の石膏ボードも、開口部回りでは面材をくり抜くようにして施工するように枠組壁工法の公庫仕様書に指定されている。
つまり、柱と窓まぐさの部分が暴れるのを事前に察知して、対策が用意されている。

ツーバィフォーの外壁合板は、端から455mmの間柱から張り出すというルールが徹底している。
内部の石膏ボードも、原則として端から455mmのスタッドから張り出す。
このため、出隅の部分に幅50mm程度の細いボードが張られることがない。

木軸もそうすれば耐震性能が上がる。
しかし、端から455mmの部分から張り出すということは、24mmの細い間柱から間柱へ張るということになる。
クギがうまく刺さらず、強度も落ちる。

中越地震で、軸組の弱点を一番露呈したのがこの間柱の細さにあった。
そして、柱の芯からボードを張り出すため、出隅の部分では50mm程度の端材が壁の両面に張られるようになる。
この端材が震度6以上の揺れで剥離して、幅木や回り縁までも一緒に剥離しているという現場をいくつか目撃した。

そして、地震とは関係なく、先に天井を張ってから壁を張るという原則を守らなかったがために、火が天井裏へ回った火災現場が今までに多くあったはず。

こうした石膏ボードの基本を、木軸のメーカーやビルダー、あるいは設計事務所や建材屋は、どれだけ大工さんへの周知徹底を図ってきただろうか?
研修と現場のチェックを本気で行ってきただろうか?
いずれにしても被害を受けるのは消費者。

石膏ボード工事を馬鹿にしている木軸は、つまり間柱の細さに最大の欠陥を持っている木軸工法は、震度6以上の地震がもたらすクラックの被害からは絶対に抜け出すことが出来ない、と断言出来る。
しかし、こんな断言をしているのは私だけ。
私が狂っているのか、それとも世の中の建築士様が狂っていなさるのか?
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2007年09月26日

サウンドカット (石膏ボード4)


それにしても接着剤のくせに「サウンドカット」とは、大胆なネーミングであることよ。
組成は溶剤を含まないエマルジョン材料。酢酸ビニル系エマルジョンで、固形分が55%とある。
軽量衝撃音を遮断するメカニズムが、マニュアルからは十分に理解出来ない。

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白いポリエチレンの袋の蓋をとってサウンドカットを床に大きな波状に撒く。
そして特殊なクシ目ヘラでならす。

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このクシ目ヘラでならすと、サウンドカットの量が600g/m2という丁度良い状態になるらしい。
スーパーボンドの上に、白いさざ波状の模様が描かれる。

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そして重い石膏ボードが張られてゆく。

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ステープルでとめられる。
サイズは4X25mmで、線径の太いMA線。
外周200mmピッチ、中通り300mmピッチ。

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こうして白い床が完成する。
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2007年09月24日

スーパーハード (石膏ボード3)

石膏ボードを床に張るという発想は、以前はほとんどなかった。
30年前、前進座の座員の自宅の稽古場に「音がしないように」との要請で耐水石膏ボードを2枚敷いたら、足で床を蹴っても「ポン」という音がせず、稽古にならないと怒られ、急いで1枚剥がしたという事例があった程度。
アパートの界床にもっとも多く使っていたのが、セルフレベリングのシンダーコンクリート。

それが2004年に、ツーバィフォー工法で4階建てが可能になった。
1階がRC造だと5階建てまでもが可能になり、同時に集成材の門型ラーメン構造との併用も認められた。
その時に、それまでの準耐火構造とは異なる耐火構造設計という概念が持ち込まれた。それまでは天井面に石膏ボードをダブルに入れるだけだったが、耐火設計においては床にもダブルに石膏ボードを施工するように指示された。

これが契機となり、アパートの2階の界床に12.5mmの石膏ボードをダブルに入れれば、準耐火60分に適合するようになった。
このため、湿式のシンダーコンクリートが乾式の石膏ボードに切り替えられている。
そして、一般の戸建て注文建築にも遮音と耐火の両面から2階の床に石膏ボード採用の動きが出てきている。

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マイスターハウスは重量があり遮音性の高い「タイガー・スーパーハード」を標準仕様。
ところが、2階の床の大部分に脱電場のスパンボンドを施工するので、石膏ボードの施工時に使う接着剤が問題になってきた。
メーカーの施工マニュアルによると、ツーバィフォーのアパートの場合は、接着剤を用いなくても良いとしている。
しかし、木軸工法の場合はサウンドカットという接着剤を戸建てでもアパートでも使うように指定。
このサウンドカットには、ペタペタという小さな軽量衝撃音を伝わりにくくする効果があるとメーカーは言っている。
このためマイスターは、ツーバィフォー工法なのにサウンドカットを採用。

つまり、スパンボンドの繊維の上から下地合板に接着剤を塗り込むようにし、スパンボンドを挟む恰好で石膏ボードを取り付けても、電場遮断の効果が薄れる心配があるのかないのか?

「漂白剤やアンモニア系以外は大丈夫です」とレジナ社がいうのでGO。
写真はサウンドカットの箱と接着剤が入っている白いビニール袋。
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2007年09月01日

床養生 (石膏ボード2)



良いとか悪いとかは別にして、ボード工の床養生というのを数年前に初めて見た。
床養生というのは、フロアーを張り終えたあと、傷がつかないようにする養生のことだと考えていた。

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ところが、石膏ボードを張る前に、使い古したブルーシートで床を完全に養生をする。
石膏ボードの粉は小さい。
下地合板や下枠の下に潜り込む。
もっとも、断熱・気密工がべバーバリアを床上まで伸ばしてテープ止めをしているので、下枠の下への粉の侵入は防げている。
したがってボード工の養生の主目的は、下地合板の隙間への侵入防止。
気密性能が良すぎるから、室内が負圧になったときに粉が出てくるのを防ぐため。
私も2回ばかり経験がある。
「ボードの粉が出てきた。なんとかしてほしい」というクレーム。

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そして、第3種換気の時は、床下地合板の上に排気の吸気位置や換気装置の設置位置が墨出しされている。
ブルーシートを張ったのではその墨が隠れてしまう。
したがって、墨のあるところは、透明のシートを張る。
これだと、墨の位置を見落とすことがない。

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S邸では、この工事を本来は1ヶ月も先にやるはずだった。
ところが、60人近い見学者が中に入る。
スリッパを用意するのはいいが、2階や小屋裏へ上がるのはハシゴ。
スリッパで、転落されたのでは責任問題になる。
そこで、急遽1、2階、小屋裏の床全体をボード工に養生をしてもらうことになった。
つまり、土足で入ってもらっても良いように。

S邸は、ダウンライトの電磁波を避けるために、2階の床にはスパンボンドという特殊繊維を敷くことにしている。
したがって、2階の床のブルーシート養生は、全くのムダな材工。
それでもきちんと施工してくれたマイスターには感謝。

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仲間の1人がつくづく感心して叫んだ。
「ここまで綺麗にやっているとは…。ロックウール工業会は値引きではなく、材料費をタダにしてもお釣りがくるよ…」



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2007年08月31日

プレーナーがけ (石膏ボード1)



S邸では、関東地域では初めて充填断熱プラスKMブラケットロックウール外断熱を採用した。
そしたら、ロックウール工業会から「是非現場見学会の場として使わせて頂きたい」という申し出があった。
ビルダー仲間には一度は披露し、経験を共有しておきたかった。
その場をつくる必要を感じていたから、それを兼ねての見学会なら悪くないだろうと山口社長とSさんに持ちかけた。
Sさんから「内部の写真は撮らない」という条件でOKが出た。

最初は外断熱だけで、内部の構造見学は「おまけ」と考えていた。
ところが、工業会は途中から「材料は安く供給するから、内部の断熱材もロックウールにして欲しい」という虫の良い要望が入った。
ロックウール工業会の現場見学会の内部断熱材の仕様が「グラスウールであっては面目が立たない」という気持ちは、理解しなければなるまい。
仕様を変えることに同意した。
ところが「どうせ材料を安く入れるのだから一部だけでも施工して、見られるようにして欲しい」と要望は次第にエスカレート。

現場のことを知らない工業会の事務局は「安く材料を入れるのだから当然のサービス」と軽く考えていたようだ。それがどれだけの無理難題であるかということを最後まで判ろうとはしなかった。
内部の断熱材を入れるには、壁や天井の配線、配管、ダクトなどの基本的な部分の工事が終わっていなければならない。
そして、配線・配管・ダクトまわりの気密コーキングも完了していなければ、断熱材を充填することが出来ない。
それよりも、マイスターハウスの場合は、ボード工による壁や天井をフラットにして、床養生をするという仕事を終えおかないといけない。

途端に突貫工事を、工事監督と各職人さんに求めることになってしまった。

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あれほどフレーマーが、丁寧に壁の水平や垂直をとっていたのだが、ボード工の目からは完全とはいえない。
差し金を当て、少しでも凹凸があるとプレーナーをかけてゆく。
プレーナーの音がこんなにまでうるさいものであったかを、改めて知らされた。

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それほどまでの執拗なプレーナーがけが続けられる。
そして壁は鏡のようにフラットになる。

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天井面もフラットにしてゆく。

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そして、感心させられるのは2本柱。
2本のスタッドの中心が芯となることが多い。
したがってスタッドをきちんと結んでおかないとボードに隙間が出る可能性がある。
ということで、スクリュークギをかなりの密度で捻りこむ。

posted by x-unoblog at 08:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 石膏ボード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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